第132話 豪華海鮮は飽きたので
朝一番の午前7時。
全員を前に朝食のアンケートが行われた。
例によって勝手ツアコン沙知先輩がアナウンスする。
「さて本日の朝食ですが、プランは3つございます。
一つ目が、釧路和商市場で勝手丼を作る。
二つ目が、ニセコの有名店で豪華なサンドイッチ。
三つめが、ホテルバイキング
好きなもので手を上げて下さい。
なお、本日は食事後は札幌フリーで、夕方に夜景を見に集合になります。
明日はお昼に礼文島でウニ丼を食べる予定です」
さあ悩む。
北海道らしいと言えば勝手丼だろう。
でも北海道へ来てから海鮮ばかり食べている。
だからサンドイッチという手もない訳じゃ無い。
しかしバランスを考えるとここでホテルバイキングというのも有り。
うん、悩む。
「愛希先輩はどうするか決めましたか?」
「この手の質問はあくまで個人で考える方なんだ」
なるほど、その辺はあえてなれ合わないと。
それはなかなか正しい考え方で好きだ。
僕は……3番かな、ホテルバイキング。
正直海鮮はちょっと食べ飽きたし。
「では多数決をとります。
まず3番、ホテルバイキングの方は手を上げて下さい」
おい、いきなり3番か。
僕は手を上げる。
見ると愛希先輩もそうだ。
というか、圧倒的に3番だ。
手を上げていないのは修先輩と……修先輩だけか。
「圧倒的多数でホテルバイキングに決定しました。
それでは7時30分に、札幌を観光できる格好でコテージ前に集合願います」
なお食事後はフリーです。夕食はジンギスカンを用意しますので昼食等は各自でお召し上がり下さい。
夜の集合は19時30分、藻岩山の山頂駅です。
それから皆でケーブルカーとロープウェイで山を下りますので、夜景見物の為にも19時までには山頂に行く事をお勧めします。
なお集合場所等については皆様のスマホのSNSにも記載されていますので、忘れた場合はスマホをご確認下さい。
では解散です」
こんな感じで今日もスタートする。
まあ僕は既に歯磨き等も終わったのでいつでも出られるのだけれども。
◇◇◇
現場のホテルのバイキング会場。
戦いは既に終盤へと突入した。
愛希先輩と典明が食べ過ぎるのは予想通りだ。
それに確かに今日のバイキングは無茶苦茶にいい。
筋子、イカ刺し、サーモンのタタキといった生ものから鹿肉の生姜焼き、スープカレーといったものまで多種多様で豪華絢爛。
チーズとかアスパラとかも無茶苦茶美味しい。
デザートも当然ながら多種多様だ。
冗談じゃ無くもう毎日これだけでもいいんじゃないか位の質と量。
僕自身も正直ちょっとお腹が重い。
この場所は駅直結なので移動には便利だ。
ただ
というかいつのまにかまた4人での行動になっていた。
愛希先輩、美雨先輩、典明、僕である。
テーブルがそうなったという理由も大きいのだが。
特に相談した訳では無いけれど。
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