第128話 いつでも補給は重要です
「ジェニーとソフィーはこれで反省しろ」
修先輩が荷物の中から出したのは『やきそば弁当』と書かれたカップ焼きそば。
いじめのように見えるが実は違う。
ジェニー先輩とソフィー先輩はスパモン教徒。
麺類は聖なる食べ物だ。
しかも実際この2人は麺類が異常に好きだし。
「ううー、まだ動くの辛いのでロビー、作って下さい」
ソフィー先輩、その状態でも食べる気か!
愛希先輩も呆れた表情。
「何か凄いね」
他人事のような愛希先輩に思わず俺は言い返す。
「うちもああなる寸前でしたけれどね」
いや、実際こっちも危なかった。
寿司屋で3800円のセットを食べた直後。
隣の海鮮丼屋にそのまま入ろうとした誰かさんとかがいたしさ。
典明も同罪。
海鮮丼屋でだめでもラーメン屋ならいいという理屈はおかしい。
美雨先輩も変だと思ったら止めて下さい。
「あと、どうせ夜食が食べたくなるでしょうから即席ラーメンを買ってきました。これなら誰でも作れるから必要なら各自作って下さい」
そう言って即席ラーメンの袋をキッチンの空きスペースに大量に置く。
札幌スープカレーラーメンとか焼そばやきっぺとか見覚えの無いものばかり。
「必要なら材料も冷蔵庫に入れておきますから」
肉とかバターとかネギとかを冷蔵庫に入れている。
うん、さすが会社の大番頭。
そして。
「こっちも帰ったのですよ」
詩織先輩、理奈先輩、沙知先輩、ルイス先輩が帰って来た。
一緒にいるルイス先輩が疲れ切っている。
そして荷物の量は全員でさっきの修先輩以上。
「市場で安くなった刺身や海鮮を買い占めてきたのですよ。なのでロビー、飯を炊くのです。量は最大限で」
あ、島で使っている巨大炊飯器が出現したぞ。
「了解なのデス」
あ、ロビー先輩、巨大炊飯器と別荘備え付けの炊飯器2つの計3台の釜を出した。
本気で全部炊く気らしい。
10キロの米袋が一気に半分以上無くなる。
「夜は長いのです。補給はいくらあっても足りないのです。そういう訳でロビーが終わったら朗人の出番なのです」
はいはい。
場所は違うが完全にいつもの保養所と同じ雰囲気になってしまった。
まあこの雰囲気は嫌いじゃ無いけれどさ。
◇◇◇
もう刺身はお腹いっぱい。
島で釣りすぎた時と同じような感じだ。
案外好評だったのが揚げ物。
つまり新鮮な海鮮は昨日と今日とで食べ過ぎたと。
なるほど、だから修先輩の買い出しが袋ラーメンとか肉とかバターとかなんだな。
何かすごく納得できた。
でもまあ、刺身に飽きたと言っても美味しいから食べてしまうんだけどさ。
「さて、今日はトドが多いし水量が多すぎるので温泉探検ではなく怪談の夜にするですよ。片付け終わったら全員3階のロフトに布団を持って集合なのです。
あと修先輩、例の措置をお願いなのです」
「気が進まないけれど、まあやっておくよ」
何をするのだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます