第122話 オードブルなデザート、メインのデザート、デザートのデザート、〆のデザート……
戦いはえげつなくも白熱している。
しかしリーチ多数でまさに危険な状態の時。
「そろそろご飯の時間なのですよ」
と詩織先輩が呼びに出てきた。
結局リーチこそ半分以上。
でも誰も罰ゲームまで至っていない。
ちなみに僕は失点0だ。
青葉も失点0。
典明は失点2でリーチだ。
やっぱりお互いの事を良く知っている先輩同士の争いが厳しい。
もう全方面ボロボロになっている。
これって色々遺恨を残さないのだろうか。
色々と不安になりつつ夕食会場のレストランへ。
何というのか典型的な豪華な和食セット。
でもご飯と味噌汁、そしてデザートはブッフェ形式になっている。
ご飯は白ご飯と炊き込みご飯の選択。
うん、この場合はホタテ入り炊き込みご飯の方がいいな。
味噌汁は汁は1種類のなのだが具を自分で選ぶ方式。
僕は味噌汁はあまり好きでないので適当に油揚と海藻を入れただけ。
デザートは後でいいだろう。
自席に戻るとほとんどの人がご飯は炊き込みご飯を選んでいた。
確かにホタテ入りで美味しそうだったしな。
味噌汁は豪華無茶入りが半数以上。
うん、いつもの学生会らしい選択だ。
そしてデザートを既に山盛り持ってきている人多数。
「デザートはあとで取ってくればいいじゃないですか」
「これは夕食分、後で取ってくるのがデザート分!」
愛希先輩はそう主張している。
なお理奈先輩が同意とばかりに頷いている。
この2人、あれだけ危険な発言で色々やりあったばかりなのに。
いつも色々やっているけれど仲はいいんだよな。
他にも人がいるので小さい声で。
「いただきます」
と全員で言って夕食開始。
うん、ご飯美味しい。
ホタテのだしというのはこんな味なのか。
他にも鶏系の出汁とか色々入っているのだろうけれど。
おかずは1点1点は少なめ。
だが点数と種類で攻めてくるタイプだ。
海鮮はもとより手元で固形燃料で焼く牛肉鉄板焼きまでついてくる。
更に同じく固形燃料で暖める海鮮うどんまで。
昼が回転寿司食べ放題だったからちょうどいいかもしれないな。
そう思いつつ完食。
なおその頃には皆さんほぼ完食。
デザート1回目に入っている。
愛希先輩は『夕食のデザート』を終え、今は『デザートのデザート』の2回目。
味噌汁もご飯も何回かおかわりしていたのに、だ。
ホテルから注意が来ないだろうか。
昨年もこのホテルに来たそうだから大丈夫だろうとは思うけれど。
「食事が終わったら外へ出られる格好でロビー集合をお願い致します。皆で函館山へ参ります」
沙知先輩がそうアナウンス。
彼女の廻りにもデザートの器が5つは置かれている。
まあ皆似たようなものだけれど。
◇◇◇
ホテルから路面電車の駅までは100メートルもない。
ホテルの玄関から駐車場と逆側に歩いて交差点を渡ればもう電停だ。
1両だけの小さい車両がやってくる。
幸い中は結構空いていた。
座ろうと思えば座れる程度。
でもちょっと街の景色を見たかったので立ってみる。
ちなみに愛希先輩は僕の目の前の席に座っている。
食べ過ぎて動きたくないそうだ。
この人も割と学習しないな、こういうところは。
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