第121話 悪魔のゲームはえげつなく

「まあざっとこんなものれすよ」

 ジェニー先輩、厳しい。

 さすが5年生。

 まさに鬼、悪魔。


「ルイス、負けポイント1です。3でアウトです」

 ソフィー先輩が仕切る。


 さて、次は沙知先輩か。

 厳しそうだな。


「この旅行でもっと相手に近づきたい、相手の事を知りたいと思う人はいらっしゃいますか」

 グラフが動いた。

 主に3人。

 愛希先輩、美雨先輩、そしてなんと典明まで黄色ぎりぎり。

 あ、3人とも陥落した。

 赤色表示だ。


「3人とも負けポイント1」

 ソフィー先輩に容赦無くチェックされる。


 そして次は理奈先輩。

「ここですかさず個人攻撃行きまーす!」

 高らかに宣言。

 おいおい、理奈先輩だと色々危険な気が……


「美雨にお伺い致しますわ。ずばり典明君の考え方とか思考の速さとか、どう思いますか」

 あ、あっさり死んだ。

 美雨先輩と、そして典明まで。

 かなりえげつないな、いまの質問。


 そして美雨先輩の番なのだが、今の質問のダメージから立ち直っていないのが見え見え。

「うーん、理奈先輩には彼氏はいないのですか」

「今は現実の世界にはいませんわ。ですので代わりに想像の世界を愛でております」

 緑色表示のままあっさりそうかわされる。


 次は典明だ。

 さて、僕の質問も考えないとな。

「まさかと思いますが、このゲームは人の恋愛とかを個人攻撃するのが目的なんですか」

 お、面白い。

 理奈先輩、微妙に動揺しているぞ。

 沙知先輩も。

 そしてソフィー先輩にジェニー先輩まで。

 何とか赤色は皆免れているけれど。

 なるほど、これが今回の悪のラインか。

 広報部というか腐女部そのままだな。


 あ、状況が面白すぎて自分の質問をまだ考えていない。

 ゲームに勝つ事を優先するなら美雨先輩か典明をここで追撃するのが王道だ。

 でもさすがにそれは心苦しい。

 なので1回パスのつもりで軽くいこう。


「今までの学生会の中では恋愛問題とかは特になかったんですか」

 あ、不味かったかも。

 ジェニー先輩があっさり陥落。

 それを見て爆笑してしまったソフィー先輩も陥落。

 更にそれを見てルイス先輩が何かこらえている。

 あ、ルイス先輩はかろうじてセーフだ。

 これはきっと何かあったんだな。

 後でこっそり聞きたいが、聞くと危険な香りもするな。


 さて愛希先輩の番だ。

「さて、なら美雨の分のかたきをとってあげようか」

 あ、質問前なのに理奈先輩に早くも反応が。


「元中等部の生徒会長の高坂君、今は術式学園高等部3年で今期の生徒会長だけれども、彼女は副会長で2年の理恵ちゃんだって」

あ、瞬殺。

 そして青葉もちょっとだけ反応。

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