第68話 GW2日目のお買い物

 台湾の電気街はどちらかというとアメ横だった。

 個人店が並んでいて、そしてアメ横センタービルの巨大なのが2軒建っている。

 そして入っている店はジャンルこそ違うが全て電気電子関係。

 すごく大雑把に言うとそんな感じだ。

 勿論大手とかメーカーの直営店とかも入っているけれども。


 値札等の表示は漢字と英字で数字は普通の算用数字。

 なので見るだけでも大体何がいくらかわかる。

 そういう意味では日本人にも優しい海外かもしれない。

 海外初めての僕にも馴染みやすい感じだ。


「店によって色々値段が違うので、行きは基本的に見るだけなのですよ。言ってくれれば帰りに私が値段交渉するなりして購入協力をするですよ」

 との万全のサポート体制の元、6人でうろうろ歩いて行く。

 パソコン系やスマホ・タブレットが多いがそれだけではない。

 怪しげなUSB系便利グッズやデジカメや中にはエロDVD専門店まである。

 勿論いかにも部品屋ですという感じの店もある訳で……


「詩織、あのパソコンが日本円にして2万円切るんだけどどうなんだ」

「うーん、スペックが微妙なのでルイスにはお勧めできないのです。修先輩が改造する母体としてなら別に良いのですが」

 とか、詩織ちゃん先輩を先頭にうろうろと歩く。


 ◇◇◇


 帰る頃には皆大荷物を抱えていた。

「朗人、お前電気街に買い物に行った筈なのに食料品ばっかり買ってないか?」

 帰り際典明に痛い点を突かれてしまう。


 電気関係で買ったものはは怪しいアルドゥイーノ互換機10個入り1000元ちょいと、あとはセンサー類各種位。

 でも食品類は台湾葱酥(ネギフレーク)を10袋、虱目魚鬆(魚のフレーク)3缶、幼筍(筍瓶詰め)10個……

 そんな感じでフレークだの瓶詰めだのがディパックにパンパンに入っている。

 昼食を食べた店への移動途中でつい美味しそうだったので買ってしまったのだ。

 これだと朝御飯が結構充実するなとか思ってしまって。


 一方、典明はいかにも電気街で買い物という感じで買い込んでいる。

 ノートパソコン1台、タブレット2台、マザーボード1台、電源1台、他怪しい電気機器山ほど。

 昨日貰ったバイト代を全て使ってしまったんじゃ無いかという勢いだ。


 ロビー先輩は格安タブレット3台とその他色々。

 修先輩はノートパソコン1台と部品色々。

 詩織ちゃん先輩は何故かマザーボードやCPU等を10個単位で買っていた。

 自作パソコンを作るにしても数がおかしい。

 何のつもりなのだろうか。


「あと、飯はわりと美味しかったな」

 これは詩織ちゃん先輩に連れて行ってもらった店で、電気街から少し離れていた。

 完全に地元の人しかいなさそうな店だった。

 言葉も表記してあるメニューもよくわからない。


 だから注文も支払いも全て詩織ちゃん先輩がやってくれた。

 基本は甘辛く煮た豚肉をぶっかけた丼を1人1つ。

 後は色々なスープとおかずを注文。


 スープは

  ○ 骨付き肉と冬瓜?のスープ

  ○ 椎茸と豚肉のスープ

  ○ 魚系?のスープ

という感じ。


 別注のおかずは

  ○ タケノコの煮物

  ○ 揚げ出し臭豆腐

  ○ 白菜の煮物

  ○ 豚角煮

  ○ ゆでたもやし

がテーブルに並んだ。


 このうちスープがなかなかの絶品。

 特に冬瓜と骨付き肉のスープ。

 これは何とかして作れるようにしよう。


 それにしても詩織ちゃん先輩色々と慣れすぎている。

 絶対あの辺に何度も行っているに違いない。

 中国語もペラペラだしさ。


 なお昼食の代金は1人640円だそうだ。

 まああれだけ色々食べたんだし、そう思うと安いかな。

 色々回ってぐったりしたので人気の無い方へ行き、台湾から離脱。

 朝の公園へ帰るのかと思ったらいつもの保養所の玄関前だった。


「朗人は夕飯を頼むですよ。私は連絡があったら回収に行ってくるです。それまではここで休憩タイムなのです」

 という訳で僕は台所へ。

 そして他の連中はぐったりと休憩に入る。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る