番外編その四十 「正義の味方”系”」

 秘書さん

「痛ましい児童虐待事件が起きましたね。相変わらず非難の矛先は児童相談所に向かっていますが……」


 小池さん

「まぁ仕方ないわね、とは言いたくないけど、今やSNS住民のマジョリティ(社会的”多数派”)は『正義の味方”系”』に席巻されているからね」


 秘書さん

「『正義の味方”系”』……ですか?」


 小池さん

「ちょっと前にSNS界隈で『意識高い系』ってのが”みん”の指示を得ていたけど、さすがに鼻についたのか、今度はそいつらが『電凸やSNSで非難=私たちは正義だ!』っていう『正義の味方系』へ進化、いや、”変異”しちゃったのよ。

 さらにやっかいなのが、こいつら自分たちをマイノリティ(社会的”少数派”)って自己暗示しているから、『少数派=正義だ』ってこれまた謎の思考回路も生みだしちゃって、もはや、やりたい放題言いたい放題なのよね」


 小池さん

「あたしの見立てだとこいつらはだいたい三つに分類できるわね


 1つ目は《興味がない、関心がない=嫌悪=悪》という、『自己性愛』型ね。


 こいつらは自分の琴線に触れないモノは嫌悪していい、だってそれは悪だからという、自分が絶対正義と思い込んでいる奴ね。例えるなら家に引きこもって自己性愛のシンボルと言うべき自慰妄想、『僕、あたしの考えた理想郷』に浸っている、いわば選挙のことを考えるのすら悪と思う無関心層ね。


 2つ目は《有名だろうが悪名だろうが世間を騒がすモノ=悪》という『自分は神』型ね。


 自分は雑草にも劣るのに、周りからあがめ奉られる神だと勘違いして、自分より有名になるのが最も許せない奴らね。下手したら自分で事件を起こすのがこう言う奴なの。

 例えるならそうねぇ、選挙にも行かないくせにやたら“現政権だけ”を非難している革命家気取りね。幸いなのはこいつら議員ですらないのに自分達を『唯一の党』と思っているから、現政党が席巻する選挙になんか行かないし、派閥争いという名の内ゲバと、互いに正論を振り回す『うちポリコレ』ばかりしているから、あたしを潰したい野党にすら鼻にもかけられていないことね。


 3つ目は《上二つの奴ら=悪》という『我が身を正せ』型ね。


 こいつもなにもしないくせに、いや、なにもしていない世捨て人を気取っているからこそ


『そんなことをしている暇があったら自分の身を正せ』


って、日々、偉そうに能書き垂れているのよ。

 例えるならそうねぇ、目本国籍で目本に税金を払って、目本のインフラをさんざん利用しておきながら、ネットマスコミからしょぼい金もらうと、

『他国の独裁者や反民主共和主義政党を見習え! (=私は彼らを支持しています!)』

ってネットニュースやSNS上で臆面もなくコラムを書いちゃうフリーターと変わらないフリーライターと呼ばれる輩ね。


 さらにこいつらはレイシストのヘイトスピーチを丸々コピーして、

『こいつがこんな事言ったぞ! 書いているぞ!』

をニュースというお題目を引っさげて世間に広めているから、ある意味レイシストよりたちが悪いわね。ま、知っててやっているんだろうけどさ。

 もっとも、支持された独裁者も反民主共和政党も、こんな二重スパイのまねごとをしている輩から言い寄られたら全力で追い返すわね。かつての『どよどよ号事件』みたいにさ。


 秘書さん

「なるほど、半分眠りながら聞いておりましたが、有権者と絡めて説明するのは、皮肉抜きにさすが総理と感心しました。……てかこれって、こんな駄文を書いているある人物の内面をただ書き記しただけでは?」


 秘書さん

「今更言うのも何ですが、もしこれがSNSやまとめ何とかに取り上げられれば、作者もろとも我々が総攻撃されますが……」


 小池さん

「大丈夫でしょ。ここ数話はPV0だし。第一、無人島でゲ○やウ○コを垂れ流したところで、誰に迷惑かけるのよ!」


 秘書さん

「SNSで世間を騒がした人間の最初の思考は、今、正に総理がおっしゃったことですよ。

『これぐらいのヘイトや馬鹿やっても誰も見てないだろう』って……」

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