小池さん「どーでもいいこと その参よ!」

番外編その三十七 「アニメ叩き」

 秘書さん

「痛ましい殺人事件の犯人が捕まってよかったですね。マスコミは相変わらず犯人はアニメを頻繁に見ていたと報道していますが……」


 小池さん

「仕方ないじゃない。マスコミと言っても所詮優遇されまくりの民間企業だし、取引先であるスポンサーを無下むげにはできないわよ」


 秘書さん

「……と、おっしゃいますと?」


 小池さん

「加害者の両親を含む家庭環境、住んでいる地域性から加害者が通った小中学校そしてそれ以上の学校から、加害者が見ていたテレビ番組や新聞、雑誌、そしてそれに広告を入れて下さった企業。子供の頃から食べていたスポンサー企業のカップ麺からお菓子まで、マスコミは報道に当たって忖度する事柄が多すぎるのよ」


 小池さん

「ちょっと前までは○チンコや公営ギャンブルが犯罪の原因になっていて、マスコミも報道する時は「遊ぶ金が欲しかった」とオブラートに包んで報道していたけど、不況の昨今、○チンコや公営ギャンブルの広告は大事なお得意様になって、その言葉もめったやたらに使えなくなってしまったの。だから


『警察発表ではない』

『加害者の近隣から聞いただけの動機』


として、『アニメを見ていた』はマスコミにとって魔法の言葉になった訳ね」


 秘書さん

「なるほど、おっしゃることの真偽はともかく、○チンコと公営”ギャンブル”は『全くの別物』と総理の口から出てくるとは思いもよりませんでした。確かに○HOが唱える『ギャンブル依存症』の中には○チンコは『含まれていません』。

 ○チンコ業界によれば○チンコは『ギャンブルではなく』、スマホゲームの課金と同じ


『遊技障害』


との見解ですからね。あと変な場所を伏せ字にすると壊れたネオンみたいになってしまうからやめて下さい!」


 小池さん

「唯一の救いは我が目本の司法が『アニメを見ていた』を犯罪動機として認識していない事ね。先日公開された探偵アニメ映画、『子供ドイル』なんて、あれだけ劇中で殺人事件が起こったにもかかわらず、公開から三日間で観客動員数100万人を突破したみたいじゃない。もしアニメが犯罪動機になりえたのなら、100万人の観客は映画のチケットと共に『犯罪予備軍』のレッテルをお金を払って張ってもらったって事と同義よ」


 秘書さん

「再び、おっしゃることの真偽はともかく、自分たちが放送しているアニメが犯罪動機になっていると、自分の口から大声で言っているのに、何でそれに気がつかないんでしょうね?」


 小池さん

「最近また周辺国がきな臭いけど、いっそのこと、アニメは戦争、紛争の動機だと声明を出してやろうかしら? 


『お前らが我が目本やマメリカの海賊版アニメを見ているから、内乱、紛争が絶えないんだバ~カ!』


ってね!」


 秘書さん

「それに対するマメリカの『ウォール・ネズミー・カンパニー』がどういう声明を出すのか……。おそらく今世紀最大の傑作となるでしょう」 

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