番外編その二十三 「労働実態調査 2」

 秘書さん

「結局、裁量労働制拡大の撤回に伴い、新たに労働実態調査をする方向に行きましたが……総理、何をそんなにニヤけているんですか?」

 

 小池さん

「クックック……。これで野党やつらは墓穴を掘ったのよ。言うなれば野党やつらは自分で死刑執行のサインしたのと同じね」


 秘書さん

「淡いサングラスと白い手袋をはめて、手を組みながら肘をついて、口を隠しながら思わせぶりに話して……文章にするとめんどくさいですね! なぜ某アニメの国連機関の目本支部所長&主人公の父親みたいな口ぶりをしているんですか?」


 小池さん

「以前あたしが言ったように、前回の調査期間の政権は野党の時のよ。それで今回の調査で、もし異常な数値が出ても、そうでなくても、野党らは自らの無能を証明したモンだしね!」


 秘書さん

「……むしろ異常値が出たら、今度は我が与党が叩かれる燃料となるのでは?」


 小池さん

「わかってないわね。労働実態調査っていわば労組系野党や国会議員の通信簿みたいなモノよ。あれだけ労組が組合費の中から献金して、組合員の票田ひょうでんを”朝貢ちょうこう”しているのに、かえって数値が悪化していたら大問題よ!」


 小池さん

「どうせ野党あいつらは『ユリノミクス』の弊害だ! なんだと騒ぐけど、それこそ、あたしたち醤油拉麺党が政権を取ったこの5年間の間に、自分達野党はなにもせず、ただ惰眠をむさぼっていましたと、自らカミングアウトするのと一緒よ!」


 秘書さん

「なるほど! 総理が惰眠をむさぼっていたのは、野党も惰眠をむさぼらせるためでしたか! ……本気にしないでください。皮肉ですよ」

 

 小池さん

「かといって異常値が出ないように労組を通じて組合員に通達なんかしたらもっとアウトね! 無党派層や今まで組合にあまり関心がない組合員ですら、


『やっぱり組合や、それに支持されている労組系議員は糞!』


 と魂に刻み込まれるわ!」


 秘書さん

「さすがフリーキャスターから叩き上げのことはありますね。今までの生涯で労組に関わっていない分、辛辣な罵声が流暢りゅうちょうに湧き出てきます」


 小池さん

「ふぅ……。なんか疲れちゃった。……では秘書よ、あたしは帰るからあとはまかせるわ」


 秘書さん

サードインパクト三回、同じヲチを起こさないでください!」

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