番外編その二十二 「裁量労働制」
1
秘書さん
「裁量労働制拡大の撤回は野党どころか与党内でも驚きの声が上がっておりましたが……」
小池さん
「もともと、『ダラダラ残業』をやめて、仕事が終わったら早く帰って外食や趣味なり家庭サービスなりに費やせるよう提案したんだけどね。こうも有権者が無趣味や『帰宅拒否症候群』だとは思ってもいなかったわ」
2
小池さん
「そういうあんたもいつまでも執務室にいるけど、そんなに家に帰りたくないの?」
秘書さん
「誰のせいで私が居残りさせられているのかまだわからないんですか? もっとも独身で女性である総理には、家内以上に帰宅拒否する旦那の気持ちなんてわからないでしょうが……」
3
小池さん
「でも『良妻賢母』や『バリバリキャリアウーマン』って言葉も今は昔ね。今はSNSで他人の成功を妬み、失敗を非難し、自分の不幸を声高に叫ぶ女性の方が、同じ女性から指示を受けるんだからね。たまに思うのよ。何であたしが総理として指示を得ているんだろうって……」
秘書さん
「どうやら、自分で答えをおっしゃっていることすらわからないみたいですね……」
4
小池さん
「んじゃ! 裁量労働制は『
秘書さん
「民主政治において、総理の仕事の是非を決めるのは国民ですよ。よって、総理の仕事の終わりを決めるのも国民です!」
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