四噺


「なぁ、側近よ」

「はい、なんでしょうか、魔王様」

▶ビューと冷たい風を感じながら魔王は側近に問いかけた。


「普通こうゆうコメディモノは、次の話には舞台が戻っているモノであろう?」

「なにワケわかんない事を言っているんですか、ほら手を動かして下さい」

▶名前は言ってはいけないあの虫を撃退した為、ワイルドな吹き抜け仕様しようになった元執務室。

▶魔王と側近は今その元執務室を修理している。


「魔法でパッパッと、とか」

「そんな便利な魔法あるなら使ってくださいよ」

「なら、ドーワーフとかが来て一日で直すとか」

「魔王様が自腹切ってくださるのなら、今すぐにでもお呼びしますよ」

▶ドーワーフの料金は凡そ魔王の給料1ヶ月分だ。


「そんな、幻想ばかり見てないで現実を見てください」

「……世知辛い世の中だ」

▶夢も希望もありはしなかった。



【テイク2】

「なぁ、側近よ」

「はい、なんでしょうか、魔王様」

▶ビューと冷たい風を感じながら魔王は側近に問いかけた。


「これ、部下にやらせればよくないか?何も、我がする必要はないであろう」

「現在休日の為、魔王城には最低限の人員しかしません」

「だがなぁ……」

▶面倒だと、渋る魔王。


「魔王様、何事も自身の力で成し遂げてこそですよ」

「うぐっ、心に刺さる」

「他人の力で得たものなんって虚しいだけです」

「うむ……確かにそうで……」

▶魔王は側近の言葉に納得仕掛けるが……


「……ん?……これ、壊したのお前ではないか?我関係なくないか?」

「さっ、魔王様息抜きに昼食でも食べに行きましょうか!」

▶側近は白々しく話を反らした。

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魔王様、仕事して下さい。 紫蘇テン @9994

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