第七十六話 猫の手

「草むしりの人手が足りない」

「猫の手も借りたいよな」


「でも本当に猫の手が来たら、思わず肉球ぷにぷにしちゃうだろ?」

「草むしってられない」


「せめて、気分だけでも猫の手と思ったんだけど」

「猫の手軍手かあ。でもこれ」


「うん」

「猫の手すぎて、草つかめないわ」



【おしまい】

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