第七十五話 三つ指ついて

「だんなさま。お帰りなさいませ。ご飯にいたしますか? 先にお風呂を使われますか?」

「まず、草むしり」


「だんなさま。今日のご飯は、お好きな五目ご飯でございますよ」

「だから、草むしりが先だって」


「だんなさま。お風呂には、一緒に入ってよろしゅうございますか?」

「それよか、草むしりが先だっ!」


「やっぱさあ。このシチュって、すっげえ設定に無理があるよな」

「いいからさっさと草むしれっ! 男二人で何が悲しくてままごとだ! 現実逃避にもほどがあるわっ!」



【おしまい】

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