雪だるまみたいな8話

確かに泣いた

泣いたけれど

よくわかったね。

僕ってそんなにわかりやすいかな。

普段絶対に見ない鏡で入念に、

普段となんら変わりのないことを確認してきたのにな。


君が次の本を持ってきた。

またハードカバーだ。

君は意外と似合わないことをする。

読んでいるのは携帯小説じゃなくて純文学だし

可愛い声で驚くんじゃなくて低い声でうおって言うし

格好いい彼氏を連れていそうなのに僕なんかのそばにいる。

ああ、でも

クラスの女子は先生に怒られてもなお化粧をするのに

(クラスメイトの顔はよく知らないけど)

君だけすっぴんなのは自分が綺麗なのをわかっていたからなのかな?


僕が思っていたよりずっと君は賢くて

面白そうなひとだ。

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