1.2.3...って数えるから3話

なにも見えない景色とはなんだろう。

私は君の内側に興味を持った。

「私も一緒に見てもいいかな」


君のは私の問いに答えてはくれなかったけど

君の真似をしてずっと遠い向こうの

『何もない』

を見ることにした。


君は何も言わないから

私はたまに

君の隣で外を見ながらお弁当を食べたり

外を見てる君を見たり

勝手に一緒に下校してみたり

それに飽きたら

『何もない』を見ている君の後ろで

本を読んだりして。


次のページをめくろうとした時に

ふわりとカーテンが持ち上がる

強い風が教室の空気を一掃し

私の手からは本が滑り落ちた。


カーテンに包まれた私を見て

初めて笑った

「馬鹿じゃないの」

君は本を拾ってくれて私に巻きついたカーテンを解いてくれた。

君の笑顔が見れなかったのは悔やまれるけれど

君の優しい声が聞けたからそれでいい。


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