1話の次だから2話

後ろからはいつも楽しそうな声が聞こえてくる。

後ろを見たことがないから君の声しか知らないけど

きっと愛されているのだろうね。


楽しい世界とは無縁に生きてきた僕。

学校だって、周りが行けというから来ただけで

僕は来なくていいなら来たくもない。

外に出なくていいなら出たくもない。

みんな口から文句は出すくせに

みんなその割には笑っているし

みんなの周りにはみんながいるし

この世界を生きるのには満足だろう。


お堅い教科書、

疲れ切った先生、

為にならない授業に

うわべだけの友達。

そんな汚いものたちは見たくないから

なんとなく外を眺めていた。


でも、腐りきった僕の性根と歪んだレンズが入ったような僕の目じゃ

綺麗なものなんてひとつも見えなかった。


それなのに

君がなんの気まぐれか知らないけど

いきなり声をかけるから

つい君の顔を見てしまった。


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