第30話 30
「俺だって、俺だって貴様の血を吸ったのだ! 俺だって神の裁きが使えるのだ!」
アダイブ・ネザー・クイーンはミハイルの血を吸ったので、ミハイルの司る神の裁きが使える。
「紛い物の神の裁きと、ミカエルとなった私の真実の神の裁き、どちらが本当の神の裁きか教えてやる。」
ミカエルは堂々と余裕綽々と振る舞っている。
「アダイブこそ! 正義! アダイブこそ! 天使! アダイブこそ! 神が創造された本物の天使だ! 堕天使は神に裁かれてるがいい!」
アダイブ・ネザー・クイーンは、自分のことを、アダイブを創りし神のことを尊重している。
「消してやる。ただし聞くことを聞いた後でな。」
ミカエルもアダイブ・ネザー・クイーンとの神の裁き対決を受けて立つつもりだ。
「いくぞ! ミカエル! アダイブ・ジャッジメント!」
アダイブ・ネザー・クイーンがミカエルに神の裁きならぬ、アダイブの裁きが襲い掛かる。
「いいだろう。アダイブ。おまえの神の裁きと私の神の裁き、どちらが正しいのか勝負を着けてやる。神の代行者ミカエルの神の裁きを受けてみろ。」
ミカエルも神の裁きを放つ態勢をとる。
「トゥルー・ゴッド・ジャッジメント。」
ミカエルも神の裁きを放ち、アダイブ・ネザー・クイーンの神の裁きとミカエルの神の裁きがぶつかりあう。
「私の神の裁きが本物だ。」
「俺の神の裁きが負けるはずがない!? 負けるはずが!? うわああああ!?」
ミカエルの神の裁きが、アダイブ・ネザー・クイーンの神の裁きを打ち砕き、アダイブ・ネザー・クイーンに神の裁きが下る。
「神がお怒りだ。」
ミカエルはアダイブ・ネザー・クイーンを倒した。
「さあ、約束通り話してもらおうか? アダイブを生み出している黒幕を。そして私たち天使を堕天使にした邪神の正体を。」
ミカエルたちは元天使。何らかの神に対する謀叛、神に対して反旗を翻した罪で堕天使こと、黒い天使になった。ミカエルは自分たちを堕天使にした神が何者なのかを調べていた。
「邪神? 邪神どころか神の中の神だ。その素晴らしい神は、出来損ないのおまえたちを下界に落とし、我々アダイブを創造し、新しい使徒にされたのだ。あのお方の名前を知った所で、もう、おまえたちには天界に居場所はないぞ。クッククク。」
アダイブ・ネザー・クイーンは負け惜しみを並べる。
「アダイブを創り出し、我々を天界から追い出した神の名を教えてもらおうか?」
ミカエルはさらに詰め寄る。
「だ、誰が、おまえなんかに教えるものか!」
そう言うと、アダイブ・ネザー・クイーンは光を放ち自爆した。
「なに!?」
ミカエルは予想外の展開に油断していた。
「しまった!?」
アダイブ・ネザー・クイーンは一瞬で消えてしまった。
「まさか自爆しただと!? 命をかけてまで秘密を守るとは・・・。手がかりが消えてしまった。ああ・・・またルシファーに怒られるな。」
アダイブに勝った余韻よりも、途方に暮れるミカエルであった。
つづく。
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