第29話 29
「ゴッド・ジャッジメント。」
ミハイルはアダイブ・ネザー・クイーンの牙を一瞬で消し去る。
「なんだと!? 俺の牙が!?」
アダイブ・ネザー・クイーンは、自分の牙が破壊されたことが信じられない。
「神の裁きが下ったのだ。消える前に答える。アダイブを生み出しているのは、どの神だ? 黒幕の正体を教えてもらおうか?」
ミハイルの目的は、アダイブ・ネザー・クイーンから多くのアダイブについての情報を聞き出すことだった。
「黒幕? 誰がアダイブを生み出しているかだって? ハッハッハ!」
アダイブ・ネザー・クイーンは笑い出してしまう。
「なにがおかしい!? まさか!? 私の血を吸ってしまったから、ウザくなってしまったのか!?」
ミハイルは余計な心配をする。
「アダイブを生み出しているのは・・・おまえたちの良く知っている天使だ。」
アダイブ・ネザー・クイーンは、アダイブの創造に天使が関わっていると言う。
「天使だと!?」
しかもミハイルたちが、よく知っている天使だと言う。
「そうだ、天使だ。その天使は天界では行方不明になっているが、本当のところはアダイブを創造するために、天界の嘆きの壁に捕えられているのだ。」
アダイブを創造する天使は天界にいる。アダイブは天界で創られている。
「教えてもらおうか? その天使の名前を。」
アダイブを生み出す天使が何者なのか、ミハイルは知らなければいけないという使命感にかられた。
「教える義理は無い。どうしても知りたいのなら、俺を倒すことだな。」
さすがにアダイブ・ネザー・クイーンも簡単には秘密は教えてくれない。
「分かった。なら、おまえを倒して、聞き出すことにしよう。」
ミハイルはもう勝ったかのような余裕な素振りを見せる。
「舐めるな! 俺はアダイブだ!」
そのミハイルの態度がアダイブ・ネザー・クイーンはムカついた。
「俺の最強の技で冥界に葬ってやる! ネザー・ワールド!」
アダイブ・ネザー・クイーンはミハイルを今度こそ、冥界に送るつもりだ。
「神よ。元の姿に戻ることをお許しください。」
ミハイルも実力行使に出るために神に許しを請う。
「なんだ!? この光は!?」
ミハイルが神々しい白い光りを放ち、アダイブ・ネザー・クイーンのネザー・ワールドの冥界を消し去る。
「私の名前は、天使ミカエル。」
ミカエルは、孔雀の尾羽のような翼、手に剣と秤を持っている。
「天使だと!? 天使は俺たちアダイブだ!? おまえなんか天使じゃない! 天使であるものか!」
アダイブ・ネザー・クイーンは目の前に現れた白い天使に威圧されて、冷静さをかいて慌てふためいている。
「そこはどうでもいい。」
ウザいキャラのミハイルとは違い生真面目なミカエルは、神に反旗を翻し全天使の長であり堕天使の長であるルシファーの姉妹と言われる存在感である。
つづく。
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