9話新人歓迎会
5月の中旬のある日のことでした。この日の夜はとある居酒屋を貸し切っての新人歓迎会がありました。私は道に集合約束の時間に遅れてしまいました。着いたのが集合時間から約10分後でした。
「やっと来たな」
入り口で社長と矢田さんが待っていました。
「遅くなって申し訳ありません」
「もしかして道に迷った?」
矢田さんが言いました。
「とりあえず席まで案内するね」
矢田さんに席を案内され
「この襷みたいのかけて」
『本日の主役です』と書かれた襷を渡された肩にかけました。
「あと、名札も」
すでに同期と後輩は席についていました。しかし、まだ歓迎会は始まりませんでした。何故なら支社の偉い方がまだ到着しないからです。
「あと30分くらいかかるらしいよ?」
私達は30分ほど待たされました。その後にほぼ全員集まりました。(数人は納期のある仕事があるため来ることはできませんでした)
「本当は全員参加して欲しかったのですが、数人は事情があり来れなくて残念です。これより新人歓迎会を始めようと思います」
高梨さんが言います。まずは社員らが簡単な自己紹介をしました。
「まずは社長、簡単なご挨拶をお願いします」
「みなさん、夜遅くから集まっていただきお疲れ様です。私は4月から社長に就任いたしました。これからは若い新入社員と一緒にこの会社を大きくできたらいいなと思っています。これからこの会社の未来は若い社員にかかっています。江藤君、坂田君、中部さん、これからよろしくお願いしますね。以上で社長の私から挨拶は終了いたします」
社長がお辞儀すると全員拍手しました。
「社長、ありがとうございます。それでは新入社員のみなさん簡単な自己紹介をお願いします」
坂田君、山田さんの順番で私に回ってきました。
「3月に入社した中部瑠姫と申します。私はコンピューター関連の仕事ができたらといいなと長年思っています。この会社で心身成長しこの会社の皆様と良い関係が築けたらいいなと思います。頼りない部分もあるかと思いますがよろしくお願いします」
全員自己紹介が終わり食事を始めました。
「自分、中部さんってどんな人かずっと気になっていたんですよ」
「中部さんは確かコンピューター関係の能力は高いと聞いてますぞ。今後の活躍を期待しています」
次々に支社の人から話しかけられました。
「私、この会社に入れて良かった」
途中でグループに分かれてゲームも行われ2時間あっという間に過ぎていました。
「盛り上がっているところすいませんが、そろそろお開きにしなくてはなりません」
この後、私は物足りなく感じたので
「二次会でカラオケ行けたら嬉しいです」
すると
「今日の主役が言うから付き合おうじゃないですか」
「そうだよね。折角の機会だし」
わがままは言ってしまいましたが、歓迎会に参加した社員の約半分が二次会のカラオケに参加しました。この時も支社の方から質問責めされたので
「ちょっとー私、聖徳太子じゃないんですけどー笑」
本社の社員も支社の社員も私のことを歓迎していたので嬉しくこの会社に期待してもいいと思い、前の会社とは違うと認識しました。
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