第16話 夢の先へ
「も・・・
少なめの荷物を左肩に下げて、よそ行き用のお洒落なスカートをはいた
「
「
「東京に行っても頑張りな。」
そっけない一言に
『そんなセリフで伝わるわけないだろ!もっとなんか言えないのかよ!!最後なんだぞ!』
「
「お前はどうだ?」
「え?」
「
「
「私は、お前の気持ちも考えずに喧嘩をして、変な彼氏とつきあってお前を困らせてしまったな。本当にごめん。許してほしい。」
『このクソババア!!正当すぎて何も言えないじゃないかあ!くそぉ!』
「謝らないで!
「私も同じだよ。」
「!」
「お互いを想ったからこそ喧嘩したんだよ。友達なんじゃけぇ、それくらいどうでもええ。ずっと
「
ちょっと
「
一方的に腹を立てていた自分が恥ずかしくて仕方がない。
ただ一つ気づいたことがある。
『そうか・・・。私もただ
「ほら、急いで!次の新幹線に乗るんでしょぉ?」
「じゃあ、
「なにその辛気臭い別れ方ぁ!めっちゃうけるんだけどぉ。永遠のお別れじゃないんだからさぁ!メールも電話もいっぱいしてよ~?それにさ、私も東京行きたいから会いに行くね。」
「
「
『なんで、そんな物持ってやがんだ!このババア!!』
「ふざけんな!ババア!なんでそんな物やるんだよ!」
思わず叫んでしまったので、みんなが凍り付いた。
「あ・・・・。いや、なんでもない。」
『きっと笑われるに決まってる!その人形作った時もそれが怖くて渡せなかったんだ。絶対、笑われる!』
恥ずかしさのあまり身を縮めながら
くすっ・・・・・
確かに
「はははは!何このボロ人形ぉ!まじうけるんですけどぉ!?」
「ふふふ。
「もはや、ホラー人形なんだけど。
「
散々バカにされて、なんであんな人形を作ってしまったのかという後悔と
涙目になりながら、早く違う話題になってくれと思いながら桃夏《ももか
》と
その顔を見た時、
次から次へ。
涙は止まらない。握りしめた人形を見つめながら微笑んで泣いている。
「
そう言うと
『そんな。あんな馬鹿みたいな人形、ずっと持ってたんだ。』
「私ね、初めて作ったドレスがコレなの。下手くそだったけど、これを作り終わった時に私の本当の夢がわかった。いつか・・・・。いつか上手になって・・・・上手になってから・・・。」
「じょ・・・上手になったら・・・今度は
「私は一流にはなれないかもしれない。
「
「うん、うん。きっと
2人が寄り添って泣いているところに入っていけないことが
ずっと黙って聞いていた
「
『なに、勝手にうまいこと言ってやがんだ、畜生!』
そうは思ったものの、
3人は抱き合って涙を流した。
いつものあの威厳のある態度はどこへいったのか。
「
「
「うん、うん。ずっと友達だよね。ありがとう。みんな大好き!」
しばらく泣いて抱き合った後、3人とも落ち着いて涙を拭き始めた。
その光景をただ見守るしかなかった
「
手を強く握り返して
「また紅茶飲みに行こうね。」
「はい。」
にっこりとした笑顔で新幹線に乗り込むと間もなくドアは閉まり、鳴り響く鈍い音を残したまま
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