第14話 待ち合わせ
高校生の時は、朝起きるのがきつくてたまらなかったものだが、
久しぶりに自分のクローゼットを開けて、その中でも一番お気に入りの服を取り出して
自分の体に着せていくというのも不気味な感じだ。
「ババア!しっかり起きろ!メイクできねぇだろうが!」
「うるさい。高校生は肌が綺麗なんじゃけぇ、メイクなんかせんでええ!!」
「じゃあ、なんでババアはいっつもメイクしてねぇんだよ!皺もシミも見せ放題じゃねぇか!メイクは若い時にするんだよ!」
髪の毛から足の先まで丁寧にセットされた。
「さあ、行くよ!」
「どこに?」
「いいからついて来い!」
「わかった。ちょっと待て。」
待ち合わせの時間よりも少し早く着いた。
「なぜここに来たん?」
「待ち合わせてるから。私のかわりに彼氏とデートして!」
「彼氏!!私が別れてやったのに、なんでまた会うんか!」
「
「今日が出発の日って知ってたのか。」
「まあ、色々知り合いから聞いちょるけぇ。」
「
喧嘩ばかりの2人がそんなことを言うことなどなかった。
「ババアが言うとおり、もしかしたら私の彼氏は浮気してるかもしれない。しかもそれって
こんな友達関係の事は母親や父親にすらしゃべったことなどない。
でも今の
「話はわかった。」
「そうか!良かった。ほんの少しでいいんだ。ちょっと話してくれるだけでいいから!」
「絶対に嫌だ!」
「はあ!?今、わかったって言ったじゃん!」
「話がわかったってだけじゃ。あんな男と付き合っちゃいけん!今からでも間に合うから
「なんでだよ!今日、彼氏と会わなかったら今度こそ愛想つかされて浮気されるかもしれないだろ!」
「そんな事で愛想つかすような男をいつまでも男と思うな!」
「!」
「いいか!友達も男も何も変わらないんじゃけぇ!あんたの事を想い、本当に大事にしてくれた人の事を
「・・・・。」
「浮気したかどうかも信じられんような男の話をあんたは、いつまで信じちょるんか!そんな男とつきあうほど、お前は安くないだろ!」
「うっ・・・。ババアに何がわかるんだよ・・・。」
なぜかこの時、
今までずっと
けれど、この言葉はまるで自分のことを守ってくれているように感じたからだ。
それでも、
「
「・・・・。」
「
浮気されてもいい?本当にそんな事を思っているわけではない。
ただ
「そうか。」
「そう、いいの。だからお願い。今日は
見てしまったのだ。
その女の子は
それに気づいた
『そうか、何か理由があってその子と腕をくんでいるんだね。』
そう思ったと同時に、
「知り合い?」
「え?だれが?だれもいなかったよ。」
その会話に
終わった・・・・。
私は人生で最悪な選択をしてしまった。
大切な友達をよりも最低な彼氏を選んでしまった。
だからきっとひどい仕打ちを受けたんだ。
『
「ババア、私が間違っていた。もう、行こう。」
そう言って涙を拭きながら
「ババア!何を!!」
信じられないくらいの加速とまるで宙に浮くかのような軽やかなジャンプ!
両手に拳を握りしめ、すらりとまっすぐ固く伸ばした右足を勢いよく
「うぎゃっぽああ!」
変な叫び越えをあげて
まるでスローモーションのように
「何、しやがんだよ!このクソ女!」
「うるさい!このゲス男が!!!」
「フラれたくらいで、人にケガさせていいと思ってんのか!警察呼ぶぞ!こらぁ!!!」
今まで見たこともないくらいの
それに何も動じない
「警察でも何でも呼べばええ!!でも私の孫に二度と手を出すな!!今度近づいたら警察も呼べんくらいボコボコにしてやるけぇね!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます