第13話 天秤にかけられた真実
自分の気持ちを伝えて少し落ち着いたのか、
そして笑いながらまた話し始めた。
「
「え?なに?」
「私、次の土曜日の朝9時半に新幹線で東京に向かいます。できれば、
「・・・・。」
「このままじゃ、もう二度と会えないから。会ってもらえそうにもないから。せめて最後の日くらい。」
「ど・・・・努力してみる。」
それから一時間ほど
『ああ、そんなこともあったな。2人であんなこともしてバカだったよな。』
「おごってやるよ。」
店を出る時には気分がよくなっていた
「いえ、いいんです。私、ちゃんとお金持ってきてますから!」
「いいんだって!ちゃんとババアの金を盗んできたんだから!」
「え?ババアの金?盗んだ??」
「あ、しまった。いや、なんでもない。」
「
「うん、じゃあこれで。」
「あの・・・元気でね。」
「はい、
「う、うん。」
「じゃあ、失礼します。」
「あ、
しかし何を言えばいいのかわからない。
今の自分は
ならば、
「が、がんばれよ!世界中の人がうらやましがるようなドレスを
で、でもどうしても辛くて地元に戻ってきたい時があれば、いつでも・・・・。いつでも待ってるから!!」
その言葉を聞いて
幼い頃からいつもそうやって笑ってきた
今初めて、その笑顔の後ろに色んな想いを隠してきたのだと気づいた。
帰り着いて泣き続けたので、メールがきていることにすら気づかなかった。
スマホを手にとり、届いていたメールを見て
今度遊びに行く約束の確認のメールだったが、その日は
「ど、どうしよう。そんなとんでもない約束してたなんて!!しかも2人とも同じ日!どっちかにしか行けない!」
「仕方ない!ババアにどっちか行ってもらおう!そしてもう一方を私が行けばいいじゃん!」
・・・・。
「いや、ちがう!ちがう!私はババアの姿なんだからそれじゃ意味ないじゃん!私の体が2人いるわけじゃん!」
「だからってババアが私の体で行ったところで、
どうしようもないと思った
「ごめん。その日会えなくなった。また別の日でいい?」
「えーなんで!?
「お願い!その日は
「俺より友達とるんだ?だいたい、その子の見送りとか行かなくていいんじゃない?」
「私は行きたいの!だって最後なんだよ!」
「じゃあ行けば。」
そっけない一言の後、どんなに
また怒らせてしまった。
『もしかしたら、今度こそ他の女にいっちゃうかもしれない。』
そう思うと何とかして
あれこれ考えていると今度は電話がかかってきた。
「
「へぇ、
「わ、わかんない。」
「へぇ、そっかあ。ねぇ、もしかして私が色々しゃべったのがまずかった?」
「色々って?」
「だからさあ、
「え?
「は?私が教えたから彼氏と別れたんじゃないの??」
「ちょっと待って!なんで
「え~まじ?じゃああれ
「なんで
「なんでって、
「
「だからあ。あんたの元彼の浮気相手が
やっぱり
それとも
真実を探る時間もなく、約束の日がきてしまった。
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