第三章 暴虐の魔王
教国①
石畳を歩く足音が鳴り響いた。
不規則に並べられた石畳は綺麗に磨かれており、傷は疎か曇り一つ見当たらない。まるで鏡面ガラスと見まごうばかりに上を歩く人物を鮮明に映し出す。
先頭を歩く少女は赤い髪を靡かせ、迷いのない足取りで颯爽と目的の場所を目指していた。
後ろに続くのは十二人の男女。
年齢容姿に統一感はなく、みな無言で少女の後ろに付き従う。
少女が足を止めると同じように足を止め、少女が前方を見上げると同じように前方を見上げていた。
目の前に見える城を見上げ、少女は思わず「美しい」と感嘆の声を漏らす。
全てが黒の異様な城、それは少女の思い描いた理想の城だ。
スキルで強化された黒曜石の扉に手を触れると、主を認識した扉は滑るように開かれた。
少女の足はエントランスから零れる淡い光に
じめっとした冷たい空気が肌を纏うが、それがとても心地よい。
広いエントランスからは三つの通路が続いているが、少女は迷わず真ん中の通路に足を運んだ。
幾つかの部屋を通り抜け、広い通路の突き当りで少女は足を止める。
目の前にあるのは巨大な両開きの扉、やはりと言うべきか、触れただけで扉はゆくっりと開け放たれた。
広い空間が姿を見せると少女の瞳は釘付けになる。
血が滴る様な深い赤、ワインレッドの絨毯の脇を固めるのは黒曜石の石柱だ。規則正しく並んだ石柱を見上げて少女の頬が朱色に染まる。
天井に描かれていたのは美化されたレオンの肖像画だ。思わずうっとり眺めるが本来の目的はそこではない。
視線を戻すと絨毯の先にある玉座を見て少女は口角を上げた。
真っ直ぐ玉座に向かい腰を落とすと、肘掛けの感触を確かめるため、手で何度も同じ場所を擦ってみる。
どっしりとした木の感触は最高級木材の証だ。
全ては要望通り……。
流石はズィーベン様だと少女は感心すると、気持ちを新たに目の前の
少女の名は魔王サタン。
肩を露出させた戦闘ドレスが発展途上の体を妖艶に見せる。それを隠す様に羽織った厚手のマントが魔王の貫録を醸し出していた。
サタンは今一度考慮する。
レオンから受けた命はサエストル教国の軍隊を引き付けること。
全てを一任されている以上、絶対に失敗は許されない。教国を滅ぼすことは簡単だが、それはレオンの意に反することだ。
やり過ぎないように、尚且つ敵の目をこちらに向ける必要がある。サタンの腰まである燃えるような赤い髪が僅かに揺らめいた。
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粗茶 「久し振りに少しだけ書いてみた」
サラマンダー 「ほんとに久しぶりだね。そしてほんとに少しだね……」
粗茶 「いようトカゲ! 元気にしてたか?」
サラマンダー 「ご飯をもらってないから元気じゃないよ。何でサボってたの?」
粗茶 「ゲームで忙しかったからだよ。ガチャを回さないといけないしね」
サラマンダー 「運営にもてあそばれていたのか……」
粗茶 「何言ってんの? 粗茶は自ら回しに行くんだよ。運営の思惑なんて関係ないよ」
サラマンダー 「みんなそう言うんだよ」
粗茶 「トカゲの分際で生意気だなぁ。まぁこれから少しずつ書いていくよ」
サラマンダー 「僕の出番はある?」
粗茶 「ない!」
サラマンダー 「やっぱりか(´・ω・`)ショボーン」
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