街⑭
話が終わるのを見計らうように、上空からフィーアが舞い降りてきた。
ふわりと大地に降り立つ様は、天使と見まごうほど美しい。
フィーアは開口一番レオンの身を案じる。
「レオン様、お怪我はございませんか?」
「この通り問題ない」
「それは何よりでございます。それと、先ほどの戦闘で気になることがあったのですが……」
言葉尻を濁すフィーアに、レオンも同意するように話しかける。
「
「はい。初めは
「お前の言いたいことは分かる。本来、同じ魔法を短時間に唱えるには、
レオンは虚ろな瞳で呆然とする男に視線を向けた。
「この男の魔法には
それはレオンたちにとって驚異になりかねない。もし強力な魔法を連続で唱えることができるのなら、それはレオンたちの命を脅かす恐れがある。
フィーアもそのことに思い至り、直ぐに進言する。
「レオン様、この男たちは危険です。直ぐに殺した方がよろしいかと」
「殺すのはまだ早い。どうやって
「この男から直接聞かれたらよろしいのでは?」
「聞いたが要領を得ないのだ。
「……レオン様、一旦拠点に戻り、この男たちから情報を集めては如何でしょうか?」
「いや、その前にやることがある。黒幕をどうにかしなくてはキリがない。簡単に諦めるとも思えんしな」
「黒幕ですか?」
「この国の公爵らしい。それより先ずは、この男たちの処遇だな。フィーアは少しの間ここで待っていろ。私は倒れている男たちを連れてくる」
「レオン様、そのような雑事は私にお任せ下さい」
「よいのか?」
「当然でございます。少々お待ちを、直ぐに連れてまいります」
闇夜に消えていくフィーアを見送り、レオンは男の装備品を確かめるため手を伸ばした。
(確かマントに何らかの魔法が付与されていたな)
男からマントを剥ぎ取り鑑定をして、そして思わず笑みが溢れる。
(おぉ!レベル42、
喜ぶレオンだがここである事に気付く。
マントをインベントリに収納すると、腕組みをして静かに考え込んだ。
(ん?ちょっと待て?レベル42だと?……ヒュンフの話では男のレベルは25以下のはず。俺が戦った感触でもその程度に思えた。どんなに過大評価しても、レベル30には届かないだろう。……つまり、この世界の人間は同じ魔法が連続で使えて、更には、レベルに関係なくアイテムを装備できる?何だそのチートは……)
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