隠密①

 歓喜の表情を見せる従者たちを見渡し、レオンはこれからのことを考えていた。


(先ずは周辺調査だな。ガリレオのスキル神の眼ゴッドアイで森の大きさは調べがついているが、そこに生息する魔物については未だ不透明なことが多い。今の俺の従者たちなら例えレベル100の魔物と遭遇しても負けることはないはず。何せ装備ガチャを回して装備品を集めたからな……。特に全状態異常を無効化するアルテミスの指輪を集めるのには苦労したよ。あれで課金ポイントをどれだけ使ったか……。本当ならダメージを軽減する守護獣の腕輪も欲しかったけど、あれは製造限定の希少アイテム、そこまで贅沢は言ってられないか)


 レオンはコレクター気質が有り、ゲーム内で売られているアイテムは勿論、様々な装備品を持っていた。それでもレベル100の装備に限定すると、47人分を賄えるほど手持ちの装備を持っていたわけではない。

 特にレオンが重要視したのが状態異常である。魅惑、支配、混乱なので同士討ちや情報の漏洩が起これば、この拠点も安全とは言えなくなる。

 そのため、全状態異常を無効化するLRレジェンドレアアイテム、アルテミスの指輪は47人分どうしても必要であった。


 本来であれば手詰まりの状況だが、レオンには装備の問題を解決する奥の手がある。

 それは有り余る課金ポイントでガチャを回すこと。レオンの運の良さもあって装備は順調に集まり全ての従者に行き届いた。

 ガチャで課金ポイントを大量に消費したが、それでもまだ7182000ポイントも残っていた。


 レオンは周辺調査を開始すべく従者に命令を下す。


「フレッド、霞、ノワール、隠密能力に長けたお前たちで森の調査にあたるのだ。特に、未知の魔物やレイドと遭遇した際には、戦闘を避け情報を持ち帰ることを優先しろ。もしかしたら、レベル120の魔物もいるかもしれない。必ず三人一組で行動し、単独行動は絶対にするな」

「はっ!!!」


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