覚醒③

 程なくして扉を叩く音が聞こえてくる。

 レオンが頷くのを見てアインスの口が開いた。


「入りなさい」


 アインスがそう告げると、扉が開かれナンバーズとアーサーが部屋に足を踏み入れた。

 迷うことなく颯爽とレオンの前に跪き、代表してツヴァイが挨拶をする。


「レオン様、ナンバーズとアーサー、ご命令により参りました」

「うむ、よく来てくれた。今日呼んだのは他でもない。お前たちのレベルを引き上げようと思ってな」

「私たちのレベルを?」

「詳しい話は後にしよう。アインス、例の物を渡してくれ」

「畏まりました」


 アインスは一礼すると、事前に受け取っていた覚醒の秘薬を、ナンバーズにそれぞれ2本、アーサーに1本渡してレオンの横に戻った。


「アインスがお前たちに渡したのは覚醒の秘薬だ。それを飲み干し、レベルの上限を引き上げてもらう」

「覚醒の秘薬……、よろしいのですか?」

「ツヴァイもアインスと同じことを言うのだな。構わん、アインスも既に飲んでいる」


 ツヴァイのみならず、他のナンバーズやアーサーも、希少なアイテムを本当に使用していいのか戸惑った。

 しかし、アインスが既に服用していると知るや小瓶に口をつける。


「……では、いただきます」


 レオンは従者の管理画面を開きながら、ツヴァイたちが覚醒の秘薬を飲み干すのを黙って見守る。

 覚醒の秘薬を全て飲み終えるのを見届けてから管理画面に視線を落とした。


(よし、ナンバーズは全員上限レベルが100に上がってるな。アーサーはと……)


 そこでレオンの視線がピタリと止まる。

 レオンは見間違いではと、アーサーの上限レベルを何度も確認した。

 しかし、そこに表示されているレベルは……


(上限レベル105だと!?)

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