覚醒②
「アインス、これを飲み干せ」
レオンが出したのは覚醒の秘薬、それをアインスに差し出した。
「レオン様、これは?」
「覚醒の秘薬だ。お前の上限レベルを引き上げる」
「これが噂に聞く覚醒の秘薬。よろしいのですか?これは希少アイテムの中でも別格のはず」
「構わん。レベル100の魔物が襲ってこないとも限らないのだ。寧ろ弱いままでは私が困る」
「……それではお言葉に甘えていただきます」
アインスが覚醒の秘薬を飲み干すと同時に、レオンは従者の管理画面でアインスの上限レベルを確認した。
(上限レベルが90に上がっている。覚醒の秘薬の効果はこの世界でも問題なしか)
「アインス、これも飲み干せ」
レオンは再び覚醒の秘薬をアインスに差し出した。
「このような希少なアイテムを二つも?」
「言っただろ?弱いままでは困ると」
「はい……、ではいただきます」
アインスは可愛らしくコクコクと喉を鳴らしながら覚醒の秘薬を飲み干す。
(よし、上限レベルが100に上がった。これでレベル100の雑魚敵なら互角以上に戦える。後は他の従者のレベルも上げないとな)
「アインス、他のナンバーズのレベルも100まで引き上げる。通話で他のナンバーズと、そうだな、アーサーも私の部屋に来るように伝えろ」
「アーサーもでございますか?」
「ああ、彼女のスキルは私を守るのに適しているからな。私の守護者としてレベルを100まで引き上げる」
「……畏まりました」
アインスは自分が守護者として選ばれないことに僅かに顔を顰めた。
しかし、自分の所持しているスキルが守りに適さないのも事実である。
レオンの安全を優先するならば、アーサーを守護者として傍に置くのは賢明な判断であった。
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