ガチャ④

 レオンは新たに現れた従者に向けて声を張り上げる。


「聞きたいことも多々あるだろうが暫し待て、他の従者も召喚する」


 従者たちはそれに頷き、跪いたままレオンの言葉を静かに待った。

 それを確認すると、レオンは顔を上げてガチャへと視線を移す。

 再度ガチャを回して、新たに出現した従者やペットには、そのまま待機するように告げた。そして、またガチャを回す。

 これが幾度となく繰り返された。


 そして、ついに11連ガチャ累計50回目で全ての従者とペットが揃う。

 その数、37名と37体。幾らレオンの自室が広いとは言え、これだけの人数がいると流石に手狭に感じてしまう。


 狭苦しくなった部屋の中で、レオンは次に従者の管理画面を開き年齢を固定する。続けて課金ショップから37名分の愚者の指輪リング・オブ・フールを購入した。

 この時点で残りの課金ポイントは9602000ポイント、レオンの予想よりも大幅に残っていた。


(従者たちが簡単に揃ったのはいいが争いが起きないようにしないと。先ずは俺が作った従者たちを紹介して、彼らを上位者として認めてもらう必要がある。更に、その従者たちを束ねる俺が一番偉いと認識してもらう。筋書きとしてはこんなものか。それにしても、まさか引き当てた従者やペットが全員出てくるとはな。呼び出せる従者の制限がなくなったか、若しくはこの世界に来た影響か、どちらにせよ俺にとって都合がいいことに変わりはないか)


 レオンは一人で納得したように頷き、跪く従者たちを見下ろす。

 従者の種族は人間や亜人以外にも、悪魔や妖怪など多岐にわたる。内心、自分の言うことを聞いてくれるか不安もあった。

 しかし、こんなことで弱気になっていられない。この世界は未知の部分が未だ多い。何があるか分からない以上、人手は一人でも多く欲しいのが本音だ。

 レオンは自分が最も偉いのだと知らしめるため、強い信念で威厳を込める様に言葉を発した。

 何事も最初が肝心である。ここで侮られては、今後の拠点作りにも影響を及ぼしかねない。


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