第4話犬も歩けば、羊頭狗肉
うちの犬はとにかく阿呆だ。
どんなに細かく表現したところで阿呆である事に変わりはく、どんなに大雑把に表現したところで阿呆に変わりなかった。
東に病気の子供あれば、行って吠え。
西に疲れた母あれば、隣にいる知らないオバサンに尻尾を振るような阿呆である。
阿呆、阿呆としきりに言うと動物愛護団体がきゃんきゃんと犬みたいに吠えるかもしれない。
そう考えると結局のところ、奴らが愛護してるのは自分自身なのではないかと思う。
さておき、そんな阿呆な我が愛犬はよくどこから兎も角変なものを拾ってくる。
提灯、看板、店先のケロちゃん…
どこかで一杯ひっかけてきているのだろうか。
10日前は大仏の覆面を拾ってきた。
どこかの宴会にでも参加したのだろうか。
さらに1週間前にはヒラ○ーの覆面を拾ってきた。
せめて勝った方を拾ってきて欲しかった。
さらにさらに3日前には馬の覆面を被ってきた。
覆面を拾ってくると私が驚くのを覚えたのだろうか。味をしめたのだろうか。
おっと、犬が散歩から帰ってきた。
羊の覆面を被っている…
これが本当の羊頭狗肉。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます