It’s the sex
何も根拠もなければ、何の証拠もない。だけれど運命を信じてみようという貴方がいる。
20数年前
一度目
若い二人がそろそろ当たり前のようにセックスに慣れてきている年齢。お互いにパートナーがいるもの同士。
二人ともそこそこの経験もあり、好みも仕方も確立されているはず。
貴方は何故誘いにのったのかしら?試しにしたかったっていう単純な理由でも、一回だけだったから、私って相当点数が低かったのね。笑
お互いさまだけど。笑
でもね、私としては、憧れの君ですから、貴方は。私としては、憧れのセックスを期待していたのですが。
皮肉なことにその昔強姦に近いことをされた人と同じ体位だったのよ。
苦い経験、それは、それ。
憧れの君の貴方とのこの一回のセックスは私の今後20年を支えるものだとは、その時はもちろん気がつかなかった。
............
二度目
本当はしないつもりで貴方と逢った。今後の貴方との関係を確認するためだけ。もしかしたら、これで逢うことが最後になる覚悟もしていた。
本当はあのままずっと二人で歩き続けて、お散歩したかったけれど。
貴方がホテルに誘うから、もう、流されたくなっちゃって。
下着普段着だから、きっと最後まではしないかな、なんてちょっと脳裏で思ったりして。
でも、貴方のボディーランゲージが私を誘うし、
「したい?」って聞いたら、
「ちょっとしたい」
って言われてしまい…。
なにしろ、貴方ですから。
欲情している貴方を振り払えるわけありません。
憧れで、
好きで、
崇拝していて、
世界一格好いい。
私は貴方の前でどうなっちゃうのかしら。
本気で貴方の奴隷になってもいいと思うこともあった。
興味があった。
欲情していた貴方はあっけなく達してしまい、二度目もなんとも特別感なく終わった。
でも、やっぱり、貴方なので…。
セックスの質は今後の課題として、どうでもよかった。
貴方と結ばれたというだけで、心が満たされて、あり得ないくらいの幸せ感。
あんまり聞こえは良くないけど、ダブル不倫を楽しめる相手同士として別れた。
貴方は特に。
..........
三度目
特別感はなかったにしろ、二度目のあと、お互いにお互いを欲しがるのを感じる。
「大丈夫、貴方には理性があるから。」
「そうなのか?」
「無理なの?」
「そうとう無いかも。」
「私みたい。」
「笑」
「困ったね、笑」
「ほんとうに困った。」
ということで、ホテルの昼間利用を予約してみる。
貴方「わくわくする?」
私「凄く!」
貴方「俺も」
と貴方から思えないようなメールがきて、天に昇るような気持ちなのに、らしくないメッセージにちょっとびっくりする。
ちょっと強引目でキスされ、服を脱がされ、もう既に十分濡れていたので、即入れられてしまう。
ちょっと待って…。
「動かないで」
と思わず言ってしまう。
ここからが神様のいたずら。
我々の身体が勝手に反応し始めて、全く動かないのに、私は絶頂を迎える。
貴方はおもわず
「うわっ、気持ちいい…」
静かに呟く。
それにまた反応してしまう私。
二回目は更に有り得ない程の時間の繋がり合い、私は何度も何度も…。貴方もそれを感じ、二人はまるでこの世でないところで身体が会話し合う喜びに同調する。
魂が繋がって、その快感を我々もいただいているよう。
逢えてよかった。
..........
四度目
How did you know?
って事に、
貴方の顔でわかった。
It was the sex.
わかっていたけどね。
It was the sex.
「うん」
前世で夫婦だったのがわかってから初めて逢う。
なんか照れ臭くて、どんな顔をして貴方に逢おうかちょっと考えたりした。
でも駅で待ち合わせて(It makes me smile)、
「お待ちしています」
のメールが可愛くて、
貴方は髪の毛が短くなっていて、
なんか急に緊張が解けて、
いつも通りで、
まだ何回かしか逢っていないのに、、、
あまりにも、もう、心地よくて、一緒に歩いていると、自然で…。
前回からそうだったけれど、セックスという言葉には不釣り合いな、行為に至る。
心と身体がを安心出来る神聖なところへ連れて行ってくれて、
ここちよい疲労感。笑
時間が足りなくて、慌てて、可愛くて、素敵で、ありがとう。
優しくて、愛されていて、幸せ。
貴方、ありがとう。
.................
五回目、そして最後のセックス
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