貴方
貴方はいつも
何かを考えているようだった。
それは、友達と喧嘩したとか学校が面倒くさいとか好きな漫画のラストが好きじゃなかったとか
そんな誰もが抱えているような悩みじゃなくて
なにか、神様のようなものに懇願しているように見えた。
私には
捨て猫のように何かにひどく怯え
時に人を傷つける紙のように鋭く脆く
季節外れに咲いた花の最後の花びらのように
ぎりぎりで生きているように見えた。
誰もそのことに気がついていないようで
私が貴方の探しているナニカになれればいいと思った。
貴方が苦しそうな時は私は貴方の背中を優しくさすってあげる
貴方が寂しい時は私が頬を撫でてあげる
貴方が怯えている時は私が全部抱きしめてあげる
貴方の幸せを
私は心から願っている。
たとえ私が幸せにならなくても。
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