第3話 カーテンの向こうに…



つい先日の話。

旦那と一緒に知り合いの店に行き、

車で家路に着いたのが午前1時すぎ。


ずっと1人で お留守番していた

ウサギさんがケージの中から

『出して!出して!』って

うるさくアピールするので、

仕方がなく夜中だというのに

お部屋の中をお散歩させる事に。


出してもらえたウサギさんは大喜び!


いつもの様に

部屋の中をパトロールしたり、

カーテンの中に入って

窓から外を眺めたりしてた。


…で、少しお酒が入ってたあたしは

ソファでゴロゴロして、

旦那が歯を磨きに

洗面台へと向かった瞬間ーーー…



ダダダダダダダダダダダダ…!!


突然カーテンの中にいたウサギが

飛び出してきたかと思うと、

そのまま部屋の中をものすごい勢いで

ぐるぐる走り出したのでビックリ!


いつもは走りだしてもすぐ止まるハズなのに

息があがってしまうくらい走り回って、

しかも普段だったらまたすぐに入りたがる

大好きなカーテンの中にも

全く入ろうとしない。


その後もずっとソワソワして

別の窓から外を覗こうとしたり、

やたらと外を気にしてる。


そこであたしは思い出したんです。


さっき車で家まで向かっている最中に

ご近所さんのお宅のお庭で

夫婦同時に『この世のものではない』男の人を見てしまった事を…


その人は短髪の長身で

白いシャツを着てる所までは見えたんですが、何故か腰のあたりから急に下半身が透けて見えなくなっていました。


車が住宅街に入って徐行になった瞬間だったからバッチリ見えてしまったんだよね〜


その男の人はお庭に停めてある車の後ろに静かに立って、あたしにはなんとなくだけど、少し微笑んでるように見えた。


で、そっからの車内といえば


「今の見た!?」


「二人同時で見るとか怖すぎるんだけど!」


ってな感じで二人とも大興奮!


でも何となく家の中には

持ち入りたくない話題だったので、

お互いすぐに忘れるようにしてたんだけど


きっとその人…

そのままウチまで

着いてきちゃったんでしょうね。


そして家の中を覗いてみようと、

窓の方にまわってみたら

変なウサギと目が合った…


みたいなね。


まぁただの推測なんですけども…


でもあれからウサギは

決してカーテンの中では

遊ぼうとはしなくなりました。


よっぽど恐ろしかったんでしょうね。

可哀想に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る