第26話 エピローグ
「この所、ハルの引っ越しばかり手伝っているような気がするなぁ」
石田がハルの本棚を運びながらそう言った。ハルをはじめ小塚や瑠奈の体はすっかりと元に戻ったのは三日後だった。
その間にハルは寮から出る事を決意したらしい。石田は少し寂しい気がしたのだが、ハルの意思を尊重することにした。
「ゴメンよ。今度何かおごるからさぁ」
「別に今日引っ越しそばてせも喰わせてくれればそれでいいよ」
「俺はもう少し良い物が食べたい」
と言うのは小塚。
「あっ石田君も来てたの」
部屋の扉の中から優香里が顔を出した。
「今、瑠奈がおソバ茹でてるわよ」
ハル達はいそいそと玄関の中にハルの荷物を運び込む。
「そこに置いてくれたら良いよ。後は僕達で片付けるからさ。中に入ってくつろいでてよ」
ハルに言われるままに部屋に上がり込んでテーブルに着いた石田が感心した様に言う。
「しかしハルよ。思い切ったな」
石田の後を追っていた小塚も同調する。
「まさか、あのお子様ショタのハルが同棲を始めるって」
「同棲って言うな!、共同生活だよ。ルームシェア!」
ハルが必死に言い訳をする。
「まぁ、言い方は色々とあるんだろうけれど。ハルは塩見が俺に言った台詞って知ってるか?」
「えっ?何?」
「この前の体験入寮の時にさぁ、『卒業するまで僕はハルと……』って」
ガシャン。瑠奈がやや乱暴にテーブルの上にソバが盛られたボールをおいた。そして石田を睨みつける。
「石田君。ハルにへんなこと言わないでよねっ!」
「あっ。ああ」
石田がたじろいでいるところに、優香里が手早く割り箸に、ソバちょこを配って、めんつゆに刻み海苔などを用意する。
「まぁ、とりあえず皆でソバを食べようか」
何故か優香里が仕切る形になって、皆でハル達の引っ越し祝いのソバを食べた。優香里は瑠奈の胸が少し膨らんでいる事に気がついたが、馬鹿な男子達の手前何も言わないでおいた。
了
アレが何した 国立北陸魔法大学校青春公判 めきし粉 @mexicona
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