・《作戦準備は念入りですか!?》- 5.5 -
「随分といい笑顔だな。
「そうかな?えへへ…。あ、
「す…すまん。なんというか、俺にとってはほぼ初対面みたいなものだからな。接し方が分からなくて。」
「好きに呼んで大丈夫だよ。
「じゃあ、白沢先輩って呼ばせてもらう。今までその…失礼だったな。申し訳なかった。」
「あ…謝らないで!?気を遣わせちゃったかな?」
「いや、そんなことはない。なんというか、こんな人が多くてうるさい連中だが、悪い奴らじゃない。もし気が向いたら、普段も
「わ…私でいいのかな?」
「もちろんじゃないですか。奏先輩はもう、私達みんなの先輩ですよ。」
「ワシも人見知りだったからの。昔お主にあって、救われことを今でも覚えておる。これからは客と店員という立場ではなく、友として付き合っていきたいからの。」
「ひめちゃん…。教授ちゃん…。」
「……運命共同体。望のストッパーとしてよろしく頼みたい。」
「財団…さん…は、男性なの…?それとも女性?どっちなの…?」
「「「それは私(俺)(ワシ)達にもわからない(のじゃ)」」」
「え…?えぇ!!?」
「まあそんな訳だ。俺たちにとって重要なのは、今、この瞬間が楽しめるかどうかってことなのかもな。よく考えたら、お互いのこと知る機会ってあんまりなかったし。」
「でも、みんなすごく仲良いよね。それにみんなはまだ高1なんだし、まだまだ機会はあると思うよ?」
「それは、あんたにも言えることだ。」
「え…?」
「本当のアンタを理解しているのは、間違いなく望だけだ。そして、アンタも望をよく理解している。どんな繋がりかは知らないけどな。」
「う…うん。」
「だからこそ、これからの時間は俺達を理解していってほしい。俺達も、アンタを理解しようと頑張ってみるから。」
「ワシでも解けない難題かもしれんがの?」
「今回ばっかりは、柊木に感謝よね。」
「……努力はする。」
「みんな……ありがとう…。」
「さぁて、真面目な雰囲気は終わりだ!始めるぞ!」
「ノゾム、聞こえるかの?そろそろ伴野が見えてくるハズじゃ!耳につけてる『キコエルン』のボタンを押すのじゃ!」
『え!?ああ、うん!というかこの五分くらい、みんな黙ってたけど何してたの!?不安でしょうがなかったんだけど!?』
「……秘密だよ♡」
『奏先輩が言ってくれるのかと思ったら財団かよ!!!合成混じりの秘密なんて聞きたくなかったよ!警察24時か!!』
「とにかく、ボタンを押すのじゃ!その『キコエルン』には、隠された機能を搭載しておるからの!」
『分かった…ってうお!?なになになに!?怖っ!?ウィンウィン言ってるんだけど!?』
「そろそろ送られてくるハズじゃ…お?出た出た。これを見て欲しいのじゃ。」
「なんだこれ…?映像?望目線の映像だな。でもどうやって?」
「あの『キコエルン』には、耳掛けのカメラ機能も追加しておいたのじゃよ。伴野の顔の動きや、望の行動を逐一把握しやすいようにの。名付けて『キコエテミエルン』じゃ!」
「名前長いわね…。でも教授?それ、最初から柊木に付けてあげればよかったんじゃない?わざわざ変形する必要は…。」
「ヒメノ…それは、ロマンがないのう。」
「え、なんかごめん…。」
『ちょっと教授!?何これ?突然耳の上の方になんか引っかかったんだけど!?』
「超小型カメラじゃ。これでお主の目線でこちらも見ることができるからの。」
『なんでわざわざ変形機能なんて搭載したの…?でもなんかあれだね、スパイみたいでロマンはあるね!』
「なんでアンタは分かるのよ…。」
「さすがノゾムじゃな!よし、映像も良好。いつでもいけるぞい!」
「……前方より、
「よし、望。よく聞け。俺が前に言った忠告、覚えてるな?」
『え…?うん。覚えてるけど。』
「そうか、なら読み上げてみろ。」
『第一に、連絡はターゲットにバレないように。第二に極力我慢すること。』
「うんうん。いいぞ。」
『第三に確実に作戦を遂行すること。第四に僕の身体に何があっても、私たちは関係ありま…ってやっぱこれおかしいよね!?最後の文だけなんで他人行儀なの!?こーゆーのってだいたい三個でしょ!?不吉なんだよ四個って!』
「よし!よく理解してるな!財団!後何秒だ!?」
「……接触まで、10.9.8…。」
「うっし!!!じゃあ望!グッドラック!」
『おい
〜 伴野攻略作戦 開始 〜
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