・《僕らの思いは共通ですか!?》- 2.5 -


伴野ばんのの奴、どこ行きやがった!?」


「……篤志あつし、落ち着け。やはり、ワタシの読み通り…か。」


「なんだ、何か手掛かりがあったのか?」


「……これを見ろ。」


「なんだこれ。レーダー?」


「……こんなこともあろうかと、白沢しらさわかなでに発信機をつけておいた。」


「お前いつの間に…。」


「……ほら、さっきのぞむの家で、ワタシがガラにもなく白沢奏の肩に手を乗せただろう?」


「あの一瞬かよ。財団にしては妙なことするなとは思ったが…。」


「……白沢奏が向かっている方向からすると…学校だ。」


「ほんと、伴野のやつは学校好きだな。休日だというのによくやるぜ。」


「……伴野にとって、学校は最高の隠れ蓑だからな…。」


「ほんと、小さい野郎だな!誰かに隠れてなきゃ何にもできない坊ちゃんってか!?」


「……ほんと、この男はつくづく呆れさせられる。急ぐぞ。」


「おうよ。というか望は何やってんだよ!?」


「……大丈夫だ。あの男なら、多分来る。不思議とそう思うんだ。」


「白沢奏のことになったら、怒ったイノシシみたいに何も考えずに突っ走るからなアイツ!」


「……伴野を前にしたら、まずいことになりそうで少し怖い。」


「同感だ。むしろ、今は望が来ないことを願ってる自分もいる。あいつ、後のこととか省みないからな…。」


「……望に連絡は…どうする?」


「やめとけ。望自身の身が危なくなる気がする。なるべく、俺たちだけで…。」


「……了解。」



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