「財団、例の件なんだが」

「……あぁ、篤志（あつし）か。例の野球部の件か？」

「あぁ。その後の進捗はどうだ？なんか手がかりはあったか？」

「……お前が野球部の女子マネージャーに相談されたことを教授に話したら、教授が毒殺の準備を始めていた。」

「すまん。内容がカオス過ぎる。というか、なんで毒殺？理解ができん。」

「……望（のぞむ）然り篤志然り、どうしてこうもワタシの周りは鈍感なやつばかりなのだ…。」

「あ？なんか言ったか？って、そんなことより情報が欲しい。『奴』は尻尾を出したのか？」

「……残念だが、そこまで有益な情報は得られてはいない。『奴』は、かなり教師からも気に入られているようでな。捜査にはまだ時間がかかる。」

「まあ、二年生にして『野球部主将』。さらには学年の次席と来たもんだ。この学校、妙に野球部を持ち上げてるからな…。大して実績出してるわけでもねえのに。」

「……正直、校長に気に入られているからな。まあ、調べられるだけは調べておく。」

「了解。じゃあ頼んだわ。俺も調べられるだけ調べておくわ。ところで、望たちに変なこと吹き込んでないだろうな？」

「……ワタシは、事実しか話さない。」

「まあ、それならいいんだが…。余計なことはすんなよ？望は特にめんどくさいからな。」

「……分かっている。」

「じゃあ、引き続き頼むわ。」

「……了解。」

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