・《高校生活は前途多難ですか!?》- 2.5 -


「お?教授。何見てんだ?」


「アツシか…。いや、この写真を見てくれ。ワシが財団ルートで手に入れた写真なんじゃが…。」


「なんだそりゃ…どれどれ?」


「あ…アツシ…顔が近いぞ。もう少し離れてくれ…。」


「ん?あぁ、すまん。で、なんだこの写真。見た感じ、動物の耳と尻尾が生えたメイドみたいだが…。」


「その通り。一年前に出来た私の行きつけのメイド喫茶での写真じゃ。可愛く写っているじゃろう。」


「あぁ…。で、これがどうかしたのか?」


「それが…ここを見てほしいのじゃ。」


「ん?なになに…この髪の毛をツインテにしてる子か?この子がどうし――――ハッ!?」


「気づいたか…。そうじゃ、妙に似ているとは思わんか?ヒメノに…。」


「た、たしかに…。あまりにも似ているなこりゃ。だから人には言えなかったのか…。」


「じゃろう。流石にメイド喫茶で働いてるなんて、恥ずかしくて言えなかったのじゃな…。ワシもこの写真を見て気がついて、ひっくり返ったぞ。ワシがあの店に行っても見たことなかったからのう…。」


相川あいかわも難儀だなぁ…。今度、学校帰りにからかいに行ってみるか。」


「アツシがひとりでか?」


「ん?あぁ、まあな。」


「アツシひとりで、ヒメノ目当てに行くのか?」


「言い方悪いな。別にそんなんじゃねえぞ?からかいにいくだけだよ。」


「ワシも…。」


「ん?」


「ワシも、一緒に…行く…。」


「お?…おう。じゃあ今度、一緒に行くか?」


「えっ…!?あっ、うっ…うむ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る