第115

「何で……」アスカは首を振り、

「飛躍しすぎよ」と言った。


「ううん……」私は目をつぶった。

「今は言えないの…… その理由を」


「そう、無理には聞かないけど……」

「すみません」

 重い雰囲気の中、聴いていたアスカはあたしの頭を撫でた。

「辛かったのね。ずっと誰にも相談できず」


「はい……」

 うなれるばかりだ。

 アスカも見かねて、

「私もね。好きだった子がいたの」

 と話し始めた。

「その子は、もう……

 遠くへ行ってしまったわ」

「え……、そうなんですか」

 何て、励ませばいいのか……。




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