第23話 チムとゆうかんなせんちょうさん

チムとゆうかんなせんちょうさん

エドワード・アーディゾーニ


 なんといっても絵がきれいだし愛らしいと思う。チムのかわいらしさ、手足のむくむくした感じなど、うちの子が4歳くらいの時、ああ、子どもってこんな感じだよね、すごいすごいと思った。

 そしてお話もいい。チムは憧れの汽船にこっそり乗り込む。でも見つかってしまい怒られて、仕事をいいつけられ、後悔の塊となり泣く泣く仕事をする。でも一生懸命がんばったから、みんなに少しづつ認めらていく。

 子どもでも大人になっても、やりたいことを無理やりやって、でもこんなはずじゃなかったと後悔すること、とってもあると思う。自分だってそうだ。ああ、やらなきゃよかった、言わなきゃよかった、願わなければよかったと。でも、そこで踏ん張るからその次に繋がっていくんだと思う。

 船の生活でもチムはすぐみんなに打ち解けて楽しむ。でも嵐に巻き込まれ、海の恐ろしさも知る。船長のかっこよさとチムの船長への信頼、救助隊の勇気!本当に嵐の様子、船が沈みかけていく様子、手にとるようにわかる。

 助けられ、暖炉の前であったまるチムと船長の様子もほかほかが伝わる。勇気、チャレンジ精神、子どもの冒険心をくすぐるステキな作品だ。

 シリーズになっているので、他の本もぜひ手にとっていただきたい

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