第43話 予定は急には変えられない
【明日?】
一通り作業を終え、後は報告書に記入して、新しい依頼を確認すれば、今日の作業は終了です。
依頼とサンプルを確認する加藤さん。締め日から優先順位も考えます。
ある依頼書で、加藤さんはびっくり。希望納期が明日です。
(ちょっと待って、いきなり明日とか無理)
【訴える】
無茶な依頼は、社員さんに訴えて、依頼者と調整をしてもらいます。
加藤さん「丸岡さん、この依頼なんですけど、今日依頼で明日報告というのはちょっと無理です」
丸岡さん「依頼者に確認してみます。いつならできますか?」
加藤さん「通常は 1週間みてもらってます。せめて、翌々日、安全を見て 3日後で」
加藤さん「あと、急ぐ場合はそっと置いていかないで、声を掛けていただきたいです。心づもりとか、早めに対応できたら変わったりもしますので」
【リターン】
丸岡さん「加藤さん、すみません。依頼者に電話をしたんですけど、どうしても明日に結果が欲しいと言われまして。お願いできませんか?」
加藤さん「そうですね、いつもは試料調製で 1日、液クロの分析を終夜で翌日の夕方までの組み合わせで、7か 8サンプル回していますが、それを明日そのサンプルだけにすれば、どうにかならなくもありません」
加藤さん「ただ、1サンプルのために、他の作業が全て 1日遅れになりますが、それでもよろしければ」
丸岡さん「わかりました。それでお願いします」
加藤さん「今回だけですよ。しょっちゅうありますと、依頼がこなせなくなってしまいますから」
丸岡さん「依頼者にもちゃんと、今回だけだと念を押しておきますので」
【特急料金】
加藤さん「こういう無茶な依頼に対して、特急加算 100%とかってないんですか?」
丸岡さん「外部からの依頼で分析しているところは、そういうのがありますけど、うちは社内の依頼なので」
加藤さん「社内の部署間で、依頼費用のやりとりとかもないんですか?」
丸岡さん「全く」
加藤さん「依頼する側は、いくらかかる分析をお願いしているという感覚無しで、バンバン依頼していると」
丸岡さん「そうですね」
加藤さん「それだと、気軽に依頼を出しますよね」
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