第28話 独り立ち
【依頼の確認】
教育訓練記録を課長に提出して、戻ってきました。
加藤さん「藤沢さん、課長に渡してきました」
藤沢さん「それじゃあ、依頼を見に行ってみましょうか」
藤沢さんに連れられて、依頼台へ。
藤沢さん「依頼書を確認して、ノートにメモをしていってください。メモをしたら、確認済みのハンコを押します」
藤沢さんに見てもらいながら、ノートに書き込んでいきます。
加藤さん「できました」
藤沢さん「はい。大丈夫ですね」
【サンプル確認】
藤沢さん「依頼書とサンプルをつきあわせて、きちんとあるか確認しましょう」
藤沢さん「加藤さんの分析ですと、サンプルが足りないことはないのですが、色々な分析をするサンプルの場合は、量にも注意が必要です」
藤沢さん「その辺は、慣れてからで大丈夫ですけど。量が怪しいサンプルがあった時に、どのくらい必要か訊かれると思いますので、まずはサンプルの状態から、どのくらい必要かを、ちゃんと伝えられれば」
藤沢さん「瓶で蓋と容器のどちらかにしかサンプル名が書かれていない場合は、もう一方に書いておきます。作業中に、てれこになるといけませんので」
【独り立ち】
藤沢さん「私が依頼書をチェックして、まだやっていないサンプルはこんな感じなんですけど、間に合うようにできそう?」
ノートを
一日にできる量と、締め切りまでの期間、依頼されているサンプル数から、できそうか考える加藤さん。
加藤さん「標準サンプルでアウトにならなければ、大丈夫だと思います」
藤沢さん「じゃあ、このノートと分析は、加藤さんに託します」
加藤さん「はい。本当にいいんですか?」
藤沢さん「教育訓練記録を課長が受け取ってくれたから、大丈夫です。最初に報告書に書く時は、つきあいますね」
【ちなみに】
加藤さん「私だと、毎日コツコツやってこなせそうな量なんですけど、藤沢さんは掛け持ちなんですよね?」
藤沢さん「そうですね。一日で30個くらい前処理をして、液クロでひたすら分析している間に、別の分析をしてました」
加藤さん「すごい量ですね。一日の処理量が私と全然違って」
藤沢さん「そのうち慣れてくれば、スピードもついてきますから」
藤沢さん「そんな状態ですので、リズムが崩れるというか、急ぎでやって欲しいサンプルが来たりすると、対応がすごく大変なんですよ」
藤沢さん「できなくはないけれど、依頼をこなすだけでいっぱいいっぱいで、他のことができなくて、よろしくない状態ですね」
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