第15話 続いて安全

【SDS】

午後は総務から離れ、実際に働くことになる部署へ。

宇野課長からの説明です。


宇野課長「うちは、分析方法も使う試薬も決まっていて、使う試薬のSDSは全てこのファイルにまとめてあります」

※SDS(MSDS):安全データシート。薬品の毒性や使用する場合の注意事項、対処法をまとめた情報。


宇野課長「使用する試薬のSDSは読んでおいてください」

加藤さん「はい」


(だいたい保護具着用と、付着したらすぐに水で良く洗い流すなんだけどな)



【洗眼】

宇野課長に実験室を案内してもらいます。


宇野課長「各実験室に一カ所、洗眼用の水道がありますので、いざという時は使ってください」


加藤さん「こういうのって、いざという時は茶色い水が出たりしますよね」

宇野課長「そうならないように、月一回は水を流すことになっています。こうバタンと倒せば、水が出るようになっていますので」


蛇口をひねるのではなく、黄色い板を倒して水が出るようになっています。

実際にやってみせる宇野課長、洗顔器から飛びだす赤茶色のさびを含む水に苦笑い。



【シャワー】

宇野課長「シャワーは各階に一カ所、真ん中の部屋にあります。いざという時はここに来て使ってください」


宇野課長「ただ、一つ問題がありまして、」


宇野課長「水は、もちろんちゃんと出るようになっているのですが、」


宇野課長「排水設備が用意されていないもので、ここに溜まるだけです」

のぞき込んでみれば、確かに排水溝がありません。



【朝礼的なもの】

宇野課長に実験室を案内されつつ、出会った人にはその場で紹介していただきます。


加藤さん「あの、朝礼はあるのでしょうか」

宇野課長「みんな忙しいので、基本的にはありません」


宇野課長「何かある場合は、午前中に声を掛けて、午後一番に集まってもらっています」


宇野課長「明日は、加藤さんの紹介をしないといけませんね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る