第13話 心機一転

【見放された?】

初日の持ち物、山田さんとの待ち合わせ場所と時刻の手紙が届いたのが、派遣先の切り換えの一週間前でした。


そして、切り換え前々日の夜、山田さんから電話が。


山田さん「明後日なのですが」

加藤さん「はい」

(確認の電話かな)などと思っていた加藤さん。


山田さん「別の方の初日とかぶってしまいまして、一緒に行けなくなりました」



【一人で行くよ】

派遣の場合、初日は派遣元の担当者がきちんと派遣先にまで送り届けることが多いです。

が、月初など重なりやすい時はこういうこともあるのです。


加藤さん「えっと、私はどなたを訪ねていけばいいのでしょう?」

山田さん「総務の中田なかたさんを訪ねてください」


山田さん「守衛さんがいらっしゃるので、そこで入場の手続きをしていただいて。正面入ってすぐの電話で、中田さんに電話をしてください」


山田さん「大丈夫ですか?」

加藤さん「総務の中田さんですね。大丈夫だと思います」



【心機一転】

心機一転、新しい職場です。

初日なので、スーツを着て、向かいます。


時間が時間ですので、出勤の人の波に乗って正門へ。


正門に近づいた加藤さん、あれ? と不思議に思います。

守衛さんはいるものの、社員証のチェックもなく、みんな構内へと入っていきます。


(この波に乗れば、しれっと正門を通過できるのでは?)

ちょっとよからぬことを考える加藤さん。



【ちゃんと手続きしました】

まずは、総務でロッカーの鍵、作業服、IDカードを受け取って、着替えです。

荷物もロッカーへ。


中田さん「ここが更衣室です。IDカードをこうしてピッとしていただければ、開きますので。女性のカードでは女子更衣室だけ、男性のカードでは男子更衣室だけ開くようになっています」


実際にピッとして、更衣室へ入ります。

加藤さんが使用するロッカーを教えてもらい、鍵がきちんとあっているかを確認します。

中田さん「着替えたら、総務の部屋に来てください」


加藤さん「はい。この来客のバッジはどうしたらいいですか? 面談の書類もあるのですが」

中田さん「書類ははんこ押しておきますね。バッジは帰る時に正門で返却してください」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る