第67話 落としちゃえ~!

「ぐぅ、ま、参った」

 オレは堪らずタップした。

 しかしギブアップしたにも関わらず、阿久堂は容赦しない。


「ケッケケェ…もっと、絞め上げちゃえよ。阿久堂君!」


「ケッケケ、面倒だから、落としちゃえ~!」

 小森らは、まるで宴会芸でも見るように手を叩いて囃し立てた。


 教室にいる他の生徒たちは見て見ぬ振りだ。

 関わり合いになりたくないようだ。


 皆、帰宅を急いでいた。

 樹理やメイも遠巻きから心配そうに見ていた。


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