直球!ファンタジー世界
(ここまでのあらすじ)
俺は、諸事情あって異世界に転生した。案内役の妖精と共にファンタジー世界を冒険して回るが、しかしそこは、意外と現実世界と変わらなかった……?
「さぁ、どうぞ。ファンタジーコーラです」
「お前ファンタジーって付ければ何でも通じると思うなよ」
「その製法は謎に包まれています」
「この味……俺の世界でも似たような製法、多分伝わってるぞ」
「そしれこれが、市場で買ってきたファンタジージャガイモです」
「ただのジャガイモだろ」
「ファンタジーって付けないとうるさい人がいるので……社会システムに影響を与えないよう特殊な加工が施されています」
「なんで芋がそんな慎重に扱われてるんだよ……魔王か何かか」
「魔王より恐ろしいかもしれません」
「……コーラだけじゃなぁ。なんか飯は無いのか?」
「ファンタジー牛丼です」
「そろそろ怒っていいか?」
「ファンタジー牛をファンタジーに屠殺したファンタジー牛肉が使われています」
「およそファンタジーと似つかわしくない単語が!」
「これが好物のヒーローが居てですね……」
「それ以上聞きたくないが……ファンタジー牛ってなんなんだ?普通の牛とは違うのか?」
「あぁ、それはですね……元は違う名前だったんですが、ファンタジー牛と言った方が売り上げが伸びるそうで」
「元の名前は?」
「ミノ……です」
「肉の部位でなく」
「ミノタウロスです」
「んなもんで牛丼作るな!」
「ファンタジー牛は今では牧場が出来るほどに人気ですよ。昔はダンジョンに放し飼いが主流だったんですが」
「それ飼ってる、というか閉じ込めてるんじゃないのか」
「品種改良で今では自分から美味しい肉の部位を説明しながら食卓に上るように」
「銀河ヒッチハイクガイドネタとかわかんねーよ!」
--------------
「そしてこれが、ファンタジー魔王です」
「ファンタジーここに極まれりだな」
「よくある『実はいい人』『苦労人』『正体が美少女』等の要素を排した純粋な魔王です」
「それにファンタジーを冠するか」
「純粋すぎてよく色々なものに感化されます」
「純粋ってそういう意味かよ駄目じゃねーか!」
『アイ・ハブ・ア・ペン……』
「早速影響されてますよ」
「おいこのネタ何時まで持つんだよていうかなんでファンタジー世界にこのネタあんだよファンタジーなんちゃら太郎が居るのかよ」
『ディス・イズ・ジ・エンド……』
「ただ、影響されやすいとはいえ魔王は魔王なので」
「妙なフレンドリーさが付いただけかよ逆に怖いわ!」
『オー、ジ・エンド・ペーン』
「魔王を倒す方法は無いのか⁉このままだと俺達ペンと融合した不思議物体にされて死ぬぞ!」
「そんな、最低でもファンタジーエクスカリバーがないと魔王戦は……」
「何か……あった!ファンタジージャガイモ!」
「いけません!それの封印を解いては!」
『オー、ポテトペーン』
「魔王のペンにジャガイモが突き刺さった……」
「ファンタジージャガイモです絶対間違えないでください!」
「そこキレるとこじゃないだろ!」
「でも、どうやら適度なオリジナリティに満足したようです!」
「ネタ自体はパクりだろーが!」
「いけません刺激しては!」
-----------
「まさか、ファンタジージャガイモとジ・エンドなんちゃらが衝突して自滅するとは……」
「正式名称、極大魔法ジ・エンド・オブ・ファンタジーです」
「ただのジャガイモになったのか……なんて恐ろしい技なんだ」
「ええ……世界が滅んでいてもおかしくはなかった。魔王のファンタジーがなければ」
「ファンタジー魔王のファンタジーに世界は救われたのか……」
「ですが、次の流行りネタが生まれる度に、ファンタジー魔王は再び現れるでしょう……」
「魔王ってそんな存在だったか?」
「まぁ、いいんですよ。だってファンタジーですから」
「そりゃそうか」
完
作者コメント:
疲れてたのかな……
新作ファンタジー作品の構築に詰まっていたので、「設定考えなくていいものを」と息抜きに始めたら息を抜きすぎた。あと時事ネタ。
多分今頃、「35億」とかやってる魔王もどこかに居るんでしょう。
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