4.





その日、俺は朝からそわそわしていた。

授業も彰と祐輔の昨日観たというテレビの話も真面目に聞いていなかった。

早く放課後になって欲しかった。


放課後、まだ話をしたそうにしている彰と祐輔に適当な理由をつけて学校から飛び出した。

そう。今日は体験レッスンの日だった。

母さんが電話をかけたのがたったの3日前だというのに、今日この日が来るまでまるで1ヶ月もあったようにに感じる。


「ただいま!」

母さんに大声で帰ったことを知らせる。

急いで階段を駆け上がる。

自分の部屋に入ったところで

「おかえりなさい。」

と母さんの声が聞こえた。


靴下や服がまとまりなくごちゃごちゃに詰め込まれたタンスを開ける。

3日前に電話を掛けた時、バレエをしたことがないと母さんが伝えると、動きやすい服と靴下を持って来てくれと言われた。

靴下はすぐに見つかった。

あとはシャツとズボン。

タンスの中には無く、クローゼットの中で見つけた。


今日必要なものをリビングに持って降りると母さんが笑いながら言った。

「5時半から始まるのに、準備が早いわね。いつもそうだといいんだけど。」


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Adagio 向日葵 @sunflowerxx

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