第2話

こんなスタイルの仕事の進め方をしていると、さてどうなるか?

まず実績値の高い仕事を得るために、上司の気分を察する競争が激しくなる。上司が部屋に入って何も言わずに上着を脱いだだけでも部下が冷房を付け冷たい飲み物を持っていく。先を越された部下は信頼値が下がらないよう、お察し能力をフル回転させて別の何かを上司に持っていく。


上司がパソコンで何か操作をしていてエラーが起きた場合も、上司が「なんかこれおかしいな?」と言うだけで部下はすぐさま駆けつけて対処する。これで度が過ぎていくと、上司が適当に気に入らないことをつぶやくだけで部下が対応してくれるようになる。


信頼値という評価をニンジンのように吊り下げることで、部下をコントロールするという支配構造となる。そして上司がやることは日々の信頼値の評価と、それを元にした仕事の割り振りだけとなる。


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