街の一角にて
『どうしたもんかねぇ』
アザミの家に向かう道すがら、自分の言葉を反芻する。
……なぜそんな言葉を俺は呟いたのか。
友人が危機に瀕しているのなら、迷わずに手を差し伸べるべきだろう。それこそが友人というやつだ。
少なくとも、俺は今までそう思っていた。
それなのに何故、俺はため息をついて、面倒くさそうに、悩みながら『どうしたもんかねぇ』などと呟いたのだろう。
俺は、無口で計算が嫌いで無表情でめんどくさがりで口下手だけれど、
真面目で約束を遵守し虚言を言わず友人を大切にする人間であるのだ。
そのはずなのだ。
そうでなければ『俺』の価値は地に堕ちてしまう……。
いや。
考えたくないけれど。
もしかしたら、俺は、本当は、ひどく薄情な人間なのだろうか?
分からない。
わからなくなってきた。
自分がわからなくなってきた。
誰か。
だれか。
教えろ。
おしえてください。
わたしはいったい、どんな
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます