第3話 胸騒ぎの一日 ~和食~

ブーッ、ブーッ。

俺の朝は、自分ので起きることではじまる。


・・・冗談はさておき、俺はタッチパネル式の携帯電話のバイブレーションを

止めて、自分の体に鞭を打ち、ベッドから起き上がった。


携帯(以下、スマホ)は、もうバッテリーが少ない。すぐに充電しなければ。

スマホの尻に充電コードを差し込み、充電を始めた。


朝起きるのは、つらい。

顔を洗って、歯を磨いて・・・会社行きの正装せいそうに着替える。

今は冬だ。

着替えるために、服を脱ぐあいだはなおさら、つらい。


でも、そのつらさを乗り越えてしまえば、もう朝飯だ。


「おはよう」

「おはよーございますぅ洋一よういち


これは、母親の返事だ。昔からよく言われていた。

今はその時ではないが、朝は、親子ゲンカをしていても、挨拶ぐらいは

するものだと。母親の言葉だ。


俺は椅子いすに腰かける。机の上には、すでに朝飯が広がっていた。


白米ご飯(粒がつやつや)

赤味噌の味噌汁(二日目でダシが効いている)

おくらのゴマえ(ぶつ切りでなく、長さを残して切ってある)

小魚の佃煮つくだに(滋賀県のどっかにある佃煮屋さんのもの)

目玉焼き(完熟。つけあわせのウインナーがうれしい)

煮豆(小豆のような色。食物繊維たっぷり)

自家製のヨーグルト(ホエーがたっぷり。ホエホエ)

キウイ(二分の一切り。今日のは、ちとばかし固い)

牛乳(小学生時代からのルーティン)


ほう。和風で軽いな。いただきまーす。


まずは、おくらを食べて胃の粘膜でもととのえる。

ざくざく・・・・歯ごたえがあるな。

そして、味噌汁。

ふーふーちゅぷ・・・ずずーごくっ・・・・

ぁあーっ、うまい。

白飯をほおばる。もしゃ、もしゃっ。

ん、水気がとんで歯ごたえが感じられる。うまい。

ウインナーはどうだろう。うん。焦げ目がつくくらい焼くのが

いいんだよな。

ぱきっ、んーーージューシー。毎日肉でも食わないとやってられない。


俺は、テレビ画面をみながら、悠長ゆうちょうに朝飯を食べている。今日の天気、最新

トピックス、日本の経済など・・・食事をしながら情報が得られるので、

一石二鳥いっせきにちょうだ。


食事から30分近くたったころ、未熟でかためのキウイをスプーンで食べ終えた

あと、食後の牛乳を飲み干した。

朝飯を全部食べ終えた。ごちそうさま。

明日のキウイは、やわらかいといいな。


俺は、自分の部屋に帰ったら、部屋をあたためておいたストーブの電源を切った。

本体からでなく、コンセントの電源からだ。

ハンカチ持った、汗拭きタオル持った、リップクリーム持った。

自分としては、いろいろチェックして完璧なつもりだった。

俺は、テレビの前で朝番組のキャスターと企画上のをするというルーティンワークを行ってから、荷物を持ち、部屋を出た。


玄関でくつを履く。後ろには母親がいる。

「いってらっしゃい、気をつけてね」

「いってきます」

ようやく、玄関の外へ出た。出勤だ。見送ってくれるのが、異性は異性でも、

家族は家族でも、別の役割の異性なら、どれだけウキウキできることか。


俺はいつも、自家用車で勤務先へ行く。

そして、勤務先に着いたらまだ間があるので、車の中で仮眠をとる。

寝過ごさないように、アラームを設定しておかないと。


えーと、スマホスマホ・・・・ん?

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