05:性夜(後編)

【CM】


♪~

勧善戦隊ジャスティスファイブ!


ジャスティスベルト(希望小売価格5980円)で変身!

ジャスティスオーブ(各780円、全20種)をジャスティスガンソード(希望小売価格2980円、アタッチメント別売り)に装填して必殺技をキメよう!!

新装備のジャスティスアーマー(希望小売価格7980円)もよろしくな!


【CMおわり】

 

「ブリリ~!なんだお前らブリー!?」


「青いスーツは知性の証!ジャスティスブルー!!」

「黄色のスーツは元気の証!ジャスティスイエロー!!」

「緑のスーツは生命の証!ジャスティスグリーン!!」

「ピンクのスーツは慈愛の証!ジャスティスピンク!!」


「「「「5人合わせ……あっ」」」」


 真ん中でかっこよくキメポーズを取るはずのレッドが不在のため、お約束の登場シーンはイマイチ締まらないものとなった。とはいえ、市民にとって怪人が暴れているこの状況でヒーローの存在が救いであることに変わりはなく、あちらこちらから応援の声が聞こえてきた。一方、思わぬ邪魔が入った怪人は茶色い顔を真っ赤にして怒り狂っている。


「ブリリ~!!邪魔するつもりならお前らもこのウン=コナ=ゲイル様がクソまみれにしてやるブリ~!!」


 ゲイルは再度【正解の音】を発動して空いていた左手にも糞を生成すると、先程と同様に勢いよく投げつけた。が、それは奴等の顔面に到達する前に撃ち落とされた。ブルーがジャスティスガンソード(希望小売価格2980円、アタッチメント別売り)から光弾を発射したのだ。


「やるなブリ!じゃあこれならどうブリか!!」


 そう叫ぶと、ゲイルは両手でクソを投擲した。しかもただ2つ投げるのではなく、片手で糞を投げている間に【正解の音】でもう片手に次の糞を握ることで途切れることなく連射する。


「ブリッ!ブリリ!」

「はあっ!」

「せいっ!!」


 しかしヒーロー達も負けてはいない。専用のアタッチメント(各1500円、全5種類)によって各々の戦闘スタイルに合った形にカスタムされたジャスティスガンソード(希望小売価格2980円、アタッチメント別売り)で糞を撃ち落としていく。はじめは拮抗していたように見えた撃ち合いであったが、時間が経つにつれて徐々にゲイルが押され気味になっていった。いくら怪人の身体能力が尋常ではないとはいえ糞を投げるための腕が二本しかないのに対してあちらは四人、こうなるのは当然の流れであった。そしてついに体力の限界を迎え糞を投げられなくなったゲイルに光弾が直撃し、その体は爆発四散した。気付けば辺りは飛び散った糞弾とゲイルの残骸で埋め尽くされている。


「さぁ、これで怪人はいなくなった!観念しろ!!」

「ぐぬぬ……」


 忌々しいヒーローどもがジリジリとこちらににじり寄り拘束しようとする。俺は手足をばたつかせて暴れるが、強化スーツに身を包んだ連中が相手ではどうにもならず、そのまま引きずられていく。そしてこれにて一件落着といった様子で奴らが談笑し始めたその時、轟音と共に一番後ろを歩いていたグリーンの体が吹き飛んだ。


「なッ、なんだ一体!?」

「……」

「助けるのが遅せぇんだよ、バカ雷堂」

「本名(ry」


 奴らが現れてからずっと建物の陰で静観を決め込んでいた雷堂がついに動き出した。


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