Chapter14 王からのお願い
「よぉーし! いっただきまぁーす! 」
パッと見た感じは、食卓に違和感を感じない。
パンにスープに何かの肉のステーキに山盛りの果物
俺が飛び降り自殺を図ってからどのくらいの時間がたったのだろうか、久しぶりの食事に心が踊る!
「期待してた以上に美味しいよコレ! パンも凄く香ばしくて最高! 」
「うちの調理部隊の焼くパン美味しいでしょ、私も好きなんだぁ〜」
「あ、てかパンって共通語なんだな。これはスープでいいのか?」
「うん、スープだよー」
「じゃあ、このステーキは牛..」
「モルゾイのお肉だよー柔らかくて美味しいよね〜」
何それ怖い
「い、いやぁ...お、俺の世界にはモルゾイなんて生き物いなかったからなぁ...ど、どんな生き物なんだ?」
名前から俺は、とんでもクリーチャーを想像していた
「えーっとぉ、大きくて足が4本あってぇシッポもあって白黒のまだら模様! あと、モ〜って鳴くぅ!」
「...あぁ、よかった、俺の世界にも牛って名前でいるよ..なら安心した!」
美味い! 松阪牛のように、口の中でとろけるような食感!!
あっと言う間に全て完食した。
そこで、カルミナが話を切り出した。
「さっきまでKはヴァイスと特訓してたんだよね? 私がお城に居る間は、騎士もたくさん居るし、ずっと側に着いてなくちゃいけないって訳でも無いからちょっとお願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
「ん? ああ、いいけど?」
「あのね、調理部隊からモルゾイ…牛? だったかな? のお肉の在庫が切れたって、お話しを聞いたのね?
普段は騎士団に捕獲をお願いするんだけど、今は騎士団全ての部隊に別々の命令を下しちゃってるから、
魔法騎士の人にお願いしたの!
そしたらね、女手ばかりじゃ不安だからって、男の人を貸して欲しいと頼まれたの、それでKの実戦練習もかねて、どぉかなぁって...」
おいおい、魔法騎士さんに会わせてと、お願いする前にそちらから来たか…
願っても無い展開!
可愛い(切実な願望)魔法使いちゃんとデー…実戦とは、
断る理由は無い、ましてや相手は牛だ。いけるだろう
「ああ、いいぜ!カルミナの頼みならしょうがないしな!! 一狩り行ってくるぜ」
念願の魔法騎士ちゃんに会えるー
「ありがとぉーじゃあ、1時間後に城の門の前で集合ね!魔法騎士のほうには私が伝えておくからね」
「ん? えらい急な話しなんだなー、もうそろそろ日が暮れるんじゃないのか?」
「え? だってモルゾイって、明るいうちは隠れてて日が暮れ出す頃に活動するじゃない! じゃあ、お願いねー」
ちょっと待て、牛にそんな習性があるなんて初めて聞いたぞ?
俺が知らないだけで、これは常識なんだろうか?
まぁいい、少しくらいは何か武器を持って行ったほうがいいだろうな。
流石に魔法使いとはいえ、女の子に任せっぱなしと言うのはプライドが許さない。
とりあえず、騎士団が詰所として使っている部屋へ行けば、何か武器になる物があるだろう。
ドアの外に立っていた騎士に、場所を聞き向かう。
長い廊下を歩いていると、前から顔の辺りがキラキラした騎士らしき男が向かって来た。
「やぁ! また会ったね!」
ロアだ! 俺より少しだけイケメンの[剣聖]ロア
「君、城中でかなり有名人だよ! 王の婚約者でしかも絶対障壁の使い手ってさ、僕は、君の事を親しみを込めて小田っちと呼びたいんだけど、いいかな?」
なんだ?馴れ馴れしいを通り越して天然っぽく見えてきたぞ...俺はこういう奴は嫌いじゃないが。
「あぁ、いいぜ! そのかわり俺もロアって呼ばせてもらう事にするわ」
「もちろんいいさ! 別にロアぽんとか呼んでくれてもいいんだよ?」
あー、こいつ天然だ間違いない…
まさかの剣聖様であろう人がこんなやつだとは..
「いや、ロアでいいや、なぁロア、何か武器になるような物無いかな? ちょっと魔法騎士と外に出る用事があるからさ」
「へぇー、あ、じゃあコレあげるよ。スペアあるし、友情の証ってやつさ!」
細身の
変な奴だが、いい奴なのは間違いないようだ。
よし、準備は出来た!
いざ魔法使いちゃんの元へ!
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